フィッシャー/音楽のパルナス山(第1&2集)
リュック・ボーセジュール(ハープシコード)
(ナクソス 8.554218 & 8.554446)




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ヨハン・カスパル・フェルディナント・フィッシャー(1670〜1746)といっても、ご存知のかたは少ないと思います。
ボヘミア生まれ、ドイツで活躍した音楽家で、バーデン辺境伯の宮廷楽長をつとめた人物とのこと。
バッハのちょっと先輩にあたる世代ですが、みごとに忘れ去られてます。

この「音楽のパルナス山」は、ハープシコードのための組曲集で、9つの組曲からなります。
それぞれミューズの女神の名前(クレイオー、カリオペなど)がついていて、なかなかしゃれてます。
内容はフランス風組曲、つまりアルマンド、クーラント、サラバンド、ジーグなどの舞曲をならべたもので、とにかく肩のこらない音楽です。
どうしてもバッハの「フランス組曲」と比較してしまいますが、
バッハに比べると良くも悪くも「単純で軽い」印象、でも、しゃれっ気はこっちのほうがあります。
(フィッシャーの後でバッハを聴くと、なんとなく説教くさい気がしないでもない)

この「音楽のパルナス山」、かるーく聴けて、おしゃれなチェンバロ作品として、なかなかいい線行っております。
「深み」は無いかもしれませんが、あちこちで「才気」を感じさせてくれますし、
1分半程度の短いトラックが多く、たいへん聴きやすくなっております。
いま風に言って、「キャッチー」な曲が多いですね。忘れ去られるのは惜しい作品です。
私のフェイヴァリット・トラックは、第6組曲「エウテルペ」の終曲「シャコンヌ」、
それに第9組曲「ウラニア」の「リゴードン」といったところです。

このフィッシャーという人、バッハ以前に「平均律」の着想を得ていて、
「アリアドネ・ムジカ」という、20の違った調による前奏曲とフーガ集を書いているそうです。
「平均律クラヴィーア曲集」を書くにあたって、バッハもこれを参考にしたといわれているくらいですから、
決してただものではなかったんですね。

 「音楽のパルナス山」から第9組曲「ウラニア」
 

(02.3.31.記)

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