ファジル・サイ(Fazil Say)/BLACK EARTH
(naive V4954) (2003年)
トルコ生まれのサイは才能あふれるサイだ(早口言葉か)。
犀ではありません。佐為でもありませんよ (<「ヒカルの碁」ファンの方)。
ファジル・サイは、1970年生まれのコンポーザー・ピアニスト。
ストラヴィンスキー「春の祭典」ピアノ版でCDでデビューしたときは、キワモノ?の疑いがぬぐいきれなかったのですが(でも買った)。
その後の活動で、すごい才能の持ち主であることがわかりすぎるほどわかった今日このごろ。
「BLACK EARTH」は、1995年から2000年までの自作を演奏した一枚。
作曲家としてのサイを一望できます。
ピアノ協奏曲第2番「シルクロード」と「ピアノと管弦楽のための音楽」(実質的なピアノ協奏曲第3番)」がメイン。
この若さですでに確固とした「自分の音楽」を持っているところ、やはり只者ではありません。
大陸的な響きは、トルコの血が書かせたものか。
ピアノ協奏曲第2番「シルクロード」より
そして、グランド・ピアノの弦を直接はじく特殊奏法を多用した「BLACK EARTH」のオリエンタルで神秘的な響き。
「久石譲が宮崎駿のアニメのために書いた曲」といわれれば信じてしまいそうなほど叙情的なメロディで始まるヴァイオリン・ソナタは、
途中からバルトークやプロコフィエフも真っ青のバーバリズムの世界に。
第1楽章
(宮崎アニメにこんな曲なかったっけ?)
第2楽章
(トルコ風+ジャズ?)
そして「パガニーニ変奏曲」でのバカテク・ジャズ(超カッコイイ!!)など、多彩な作品ぞろい。
難解なところはほとんどなく、誰でも直感的に楽しめる音楽です。
適度に刺激的な音楽を求めている方や、吉松隆のファンだったけど最近はちょっとなぁ、の方などにおすすめでしょう。
ジャケットはなかなかイケメンに写ってますね。
(05.8.11.記)