フォーレ/レクイエム
(アンドレ・クリュイタンス指揮 パリ音楽院管弦楽団 1962録音)



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2018年6月30日は、香川県観音寺市で和楽器バンドのライヴに参戦(前から2列目という神席!)。

 

でもって翌7月1日は岡山県倉敷市でガブリエル・フォーレ「レクイエム」(Gabriel Faure, 1845〜1922)を聴くという、
相変わらずワケのわからんミュージックライフを送っておりますが皆様お変わりありませんか。
え、変わってるのはお前だろって?
はい、フォーレのレクイエム終わった時に、思わずコブシ突き上げて「イエー」と叫びそうになりましたよ(嘘)。

フォーレ「レクイエム」を生で聴いたのは初めてですが、しみじみ良い曲だと思いました。
そして、大胆きわまりない楽器用法を駆使した、独創的な傑作でもあります。
たとえば第1曲と第2曲でヴァイオリンが使われないことは知識としては知っていましたが、実際に見るとインパクトあります。
何しろ曲が始まってから十数分間、ヴァイオリン・パートは静かに座っているだけで一音も発しないのですから。
低音弦と合唱による落ち着いた響きが、深い悲しみと敬虔な祈りを表現するなか、
うつ向き気味にじっと座しているヴァイオリン奏者たちは、死を悼み喪に服している人々のように見えます。

 

それだけに第3曲「サンクトゥス」ではじめてヴァイオリン、そしてハープが加わると、
天上から澄んだ光が差し込んでくるような感覚に魅せられます。

 

そして単独で歌われることもある有名な第4曲「ピウ・イエス」(この曲もヴァイオリンはお休み!)。
今日のコンサートでは若くて綺麗なソプラノ歌手が歌ってくれてオッサン天国気分でした。
なおフォーレ自身は、可能であればボーイソプラノを望んだそうです。
あ、そういう趣味だったの・・・(←違う)。

 

そして続く第5曲「アニュス・デイ」のメロディの美しさと言ったら!
ヴァイオリンもここぞとばかりに歌います。

 

ゆっくりした静かな曲の連続で、盛り上がるところや活発なところはほとんどありませんが、なぜか聴く者の耳をとらえて離しません。
ちなみに今日のコンサート前、私には睡眠確率80%以上の予想が出ていたのですが、まったく眠くなることなく最後まで聴き終えました、エラいでしょ。

 第7曲(終曲)「楽園にて」
 

以前から愛聴しているのが、アンドレ・クリュイタンス指揮/パリ音楽院管弦楽団の1962年録音盤。
ふくよかでありながら澄んだ響き、やさしく暖かい演奏、最高です。
ソプラノ独唱は全盛期のロス・アンヘレスが担当、清潔なリリシズムを発揮しています。
またバリトン独唱はこれまた全盛期のフィッシャー・ディスカウです、出番少ないのになんつう贅沢な起用・・・。

なお、ボーイ・ソプラノを使った演奏なら、ミシェル・コルボ盤が素敵です。

(2018.07.01.)


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