伊坂幸太郎/アイネクライネナハトムジーク
(幻冬舎 2014)



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奥さんに愛想を尽かされたサラリーマン、
他力本願で恋をしようとする青年、
かつて自分をいじめた同級生への復讐を企てるOL、
そして日本人初のヘビー級チャンピオン。
登場人物たちが紡ぎ出す、数々のサプライズ!!
伊坂幸太郎ならではの、伏線と驚きに満ちたエンタテインメント!


正月休みが終わり、1月5日(月)から仕事始め。
いやあ、今週はきつかったです。
なにしろ、5日間も連続で働いたんですよ、信じられますかあなた。

 え? それって普通ですか?

 ・・・そういえば私、先月までずっと週に5日働いてましたっけ?

うーん、正月ボケが全然抜けない。
やっぱり年でしょうかねえ。
なので1月10日からの3連休は心のオアシス、うれしいな。
幸い休日勤務もないので、正月ボケの抜けてない身体と精神をたっぷり甘やかすとします(←さらにボケてしまう)。

そんな休日にのんびり読むにふさわしいのが、

 伊坂幸太郎/アイネクライネナハトムジーク

著者が敬愛するシンガーソングライター・斉藤和義から、
「恋愛をテーマにしたアルバムを作るので、『出会い』にあたる曲の歌詞を書いてくれないか」
と依頼されたけれど、作詞はできないので短編小説を書いたのがはじまり。
そこから膨らんでいって、6篇からなる連作短編集になりました。
なので各編に斎藤和義の曲の歌詞がちりばめられています。
斎藤和義を全然知らない私ですが、小説を楽しむには全く支障ありませんでした。

伊坂幸太郎には珍しく、殺し屋も超能力者も出てきません、犯罪も起こりません、人も死にません。
洒落た会話を交わしながら、いろんな人が出会ったり別れたり恋をしたり喧嘩したりボクシングしたりする普通小説。
主人公のいない群像小説で、各編の登場人物は互いにリンクしています。
小説全体では20年の時が流れ、登場人物もそれに応じて年をとりますので、
あの人とこの人がじつは同一人物だった的な仕掛けがあったり、
故意にぼかされたリンクや伏線もあったりして、幾度もページをさかのぼって読み返すことに。
そういうのがうっとおしい人には向きませんが、私は楽しみました。

好きな初期作品「ラッシュライフ」をさらに洗練し、技巧的にしたような印象。
ハートウォーミングで前向きで、読後感も良好でした。

(2015.01.10.)

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