初期ヴェネチア・リュート曲集
(クリストファー・ウィルソン、シャーリー・ラムゼイ 1995録音)
女性がリュートをつま弾いているところを描いた絵。
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こういう絵はイタリア・ルネサンス期にたくさん描かれました
たまにオッサンが弾いてるのもあります。
なのでリュートというのはルネサンス期に広く一般に普及していた楽器だと思っていましたが、
「15世紀の絵画を見るとリュートという楽器がもてはやされていたように思えるが、
実際はそうした絵画を発注できる富裕層の間の流行にとどまっていて、世間一般ではそれほどでもなかったのである」
と本CDのライナーノートにあり、「へえ〜」と思いました。
というかこういうCDの解説にこんなこと書くか? 「空気読めよ」と思いました。
まあそれはそれとして大変素敵なアルバムです。
初期ヴェネチア・リュート曲集
ナクソス・レーベルの初期のリリースで、20年くらい前に買ったんですが、ふと聴きなおしてみるととても良かったです。
西暦1500年前後にヴェネチアで出版されたリュート曲を集めたもの。
500年以上前に書かれた音楽なのに現代人の心にもしっかりフィットし、チャーミングで心地よいです。
ジョアン・アンブローシォ・ダルツァ/ヴェネチア風パヴァーヌ
(親しみやすいメロディが魅力的)
当時経済的に栄華を極め、富裕層がたくさん存在したヴェネチアでは、楽器を演奏するアマチュアがそれなりにいたため、
楽譜の出版が行われるようになり、やがてプロの音楽家が登場、奏法も発展してゆきます。
ヴィンセンツォ・カプリオーラ(1474〜1548)はプロのリュート奏者・作曲家として生没年がわかっている最初の人だそうです。
ヴィンセンツォ・カプリオーラ/リチェルカーレ第5番
(これは名曲! 即興的にうつろうエモーション)
ヴィンセンツォ・カプリオーラ/ケ・ファラーラ・ケ・ディラーラ
(繊細でひそやかな踊り)
典雅で妙なる響きは麗しく、いつまででも聴いていられる気がします。
サラサラとした快感のうちに音が通り過ぎてゆきます。
作曲者不詳/カラータ
(メランコリックなメロディに耳を奪われます)
クリストファー・ウィルソンはナクソス・レーベルにたくさん録音しているリュート奏者。
堅実で真面目な演奏という印象です。
リュート二重奏曲では、シャーリー・ラムゼイが参加しています。
ジョアン・アンブローシォ・ダルツァ/サルタレッロとピーヴァ(二重奏)
(後半テンポを上げて盛り上がります)
(2023.05.13.)
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