ドヴォルザーク/弦楽四重奏曲全集(10枚組)
(シュターミッツ四重奏団)

(ブリリアント・クラシックス 99949)


Amazon.cp.jp : Dvorak: Complete String Quartets (Box Set)

HMV : Dvorak Complete String Quartets icon



信じられないような値段でボックスセットCDを繰り出してくるレーベル、ブリリアント・クラシックス
このドヴォルザークの弦楽四重奏曲全集(10枚組)は、大手CDショップで4千数百円。

さて、ドヴォルザークという人、ヒゲダルマみたいな風貌のせいで誤解されやすいのですが、じつは音楽史上でも指折りのメロディ・メーカーです。
同世代のチャイコフスキーのメロディがどこまでも哀愁を感じさせる美しさであるのに対し、ドヴォルザークは、たとえ短調であってもどこか明るい。
都会的に洗練されたチャイコフスキーに対し、人懐こく田舎くさいのもドヴォルザークの特徴。
好みの問題ですが、私にはドヴォルザークのほうが性に合います。

ドヴォルザークは交響曲を9曲書いていて、最後に「新世界より」という特大ホームランをかっとばしたもので、
交響曲作家と思われているフシがありますが、じつはこの人の最良の面は室内楽曲に現れているのではないか、と思います。
弦楽四重奏曲は生涯のすべてにわたって、15曲も書いています。
第12番作品96「アメリカ」が突出して有名で、これは確かに名曲ではありますが、他の曲をながめわたしても、みないい曲ぞろい、駄作はないです。

 ドヴォルザーク:弦楽四重奏曲第13番 ト長調
 

この10枚を順番に聴いて、気持ちの良い音楽が次から次へと流れ出してくるのには、ほとんど陶然となりました。
以前、ドヴォルザークの交響曲をCDでそろえて、1番から順番に聴いたときは正直けっこう苦痛だったのですが(スウィトナーの演奏でした)、
弦楽四重奏曲ならいつまでも聴いていられるような気がします。

 ドヴォルザーク/弦楽四重奏曲第9番 ニ短調
 

1987年から93年のデジタル録音で音は良いですし、演奏も(専門的なことはわかりませんが)文句をつけたくなるようなところは見当たりません。
全体にリラックスした感じの演奏で、短調作品も緊張感を感じさせず、むしろ流麗に曲を進めてゆきます。
さらに言えば、1枚1枚のジャケットに印刷された風景画がなかなか素敵(ボヘミアの風景でしょうか?)
おまけに解説書(平易な英語で書かれています)もとてもていねいで、曲に関する必要十分な情報は得ることができます。
これほどの全集がこの値段で本当にいいのでしょうか? 申し訳ないくらいです。 

(02.11.23.記)



ヒゲダルマ、失礼、ドヴォルザークです


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