ドヴォルザーク/ピアノ三重奏曲第4番「ドゥムキー」
ピアノ三重奏曲第3番

(スーク・トリオ)




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Tower@jp : ドヴォルザーク:ピアノ三重奏曲 第4番《ドゥムキー》/第3番 へ短調



寒いですねー。
先日、出勤しようとすると、車のフロントガラスに氷が張ってました。 焦りました。
「その程度のことで」と思われるでしょうが、四国では珍しいのです。
なんとか溶かして、「遅刻しそうだ!」と、土手道を飛ばしていると、川にも薄い氷が張ってました。
これまた珍しい。。。
思わずわき見してしまい、ちょっとヒヤリ。
道路が凍ってなくてよかったです・・・(怖)。


ところで私は、ドヴォルザークピアノ三重奏曲第4番「ドゥムキー」を聴くと、冬の夜を連想します。
威勢のいい第1楽章は別にして、第2楽章からのひそやかな暖かさが、なんとも懐かしい雰囲気。

実家の大広間の古い暖炉の前でおばあさまの昔話を聞いた子供のころが思い出されます。
大きな揺り椅子にくつろぐおばあさま、暖炉がパチパチはぜる音、かたわらにはいつもセントバーナードのジェームズがねそべり、
まどろみながらゆっくりと尻尾を振っていたものです・・・。

というのはですが、とにかくそういう情景が頭に浮かぶのです。
じっさい第2、第4楽章なんて、「むかしむかしあるところに・・・」と語りかけてくるような気がしませんか

 第2楽章
 

 第4楽章
 

「ドゥムキー」、妙な名前ですが控えおろう、ドヴォルザークのピアノ三重奏曲の最高傑作!
それどころかあらゆるピアノ三重奏曲の中でも屈指の人気曲です。
ソナタ楽章をひとつも持たないうえ、6楽章という型破りの構成ながら、
キャッチーなメロディと沸き立つようなリズムで、いきなり聴くものの心を捉えます。

ウクライナ民謡「ドゥムカ」のスタイルで書かれているのだそうで、「ドゥムキー」はその複数形。
そういえばチャイコフスキーにも「ドゥムカ」というピアノ曲があります(作品59)。
いやちょっと待てよ、ドヴォルザークはチェコの人でしょ、なんでウクライナ?
と思って調べてみたのですが、よくわかりませんでした。
ノリというか、イキオイで書いてしまったという説も。
ある音楽学者は
「ドヴォルザークは本来の民謡形式ドゥムカを正確に知らないままに、自分自身の考えで作り上げてしまった」とまで言ってます。
ウクライナ人が聴いたら「なんじゃこりゃ」的な音楽なのかもしれません。
「カリフォルニア巻き」みたいなものですかね(←違う)。

とにかく、ドヴォルザークの室内楽曲中、「アメリカ」と並ぶ人気を誇る名曲です。
ウクライナだろうがカリフォルニアだろうがいいのであります(←適当)。

好きな曲なので、CDも何種類か持っていますが、結局はドヴォルザークの総本家スーク・トリオに帰ってきます。
まあドヴォさんの曾孫なんだから当然と言えば当然か。
ファースト・チョイスというべき貫禄&安心の名演奏を聴かせてくれます。


同時収録のピアノ三重奏曲第3番も良い曲です。
「ドゥムキー」同様、民謡風のメロディが耳を楽しませてくれます。
ただ、「ドゥムキー」のあとで聴くと、正統派四楽章構成・ソナタ形式の枠が、なぜか足かせのように思えてしまいます。

(10.1.15.)


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