ジャン・コクトー映画音楽集
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「フォーエヴァー・サウンドトラック1200」というサウンドトラックCDシリーズの一枚。
しかし、サウンドトラック・ファンよりむしろ、フランス近代音楽ファンが買って枕の下に敷いて寝るべきCD。
映画音楽はあまり入っておらず、バレエ音楽がメインです・・・。
どちらにしても好企画盤です。
ジャケットに掲載されてる名前は、エリック・サティ+フランス六人組(クラシック・ファンなら見なくても全員の名前言えますよね? 私は、えーと・・・やめときましょう)。
ジャン・コクト−がかかわった映画&舞台のために作られた音楽を集めたアルバムですが、実質的には気のきいた「フランス六人組作品集」です。
ところでジャン・コクトーって誰でしたっけ?(おいおい)
Wikipediaによると、
ジャン・コクトー (Jean Cocteau、1889〜1963)、フランスの芸術家。
詩人、小説家、劇作家、評論家として著名であるだけでなく、画家、映画監督、脚本家としての活動も行った。
自身は中でも詩人と呼ばれることを望んだという。
ふーむ、「黒糖あめ」とは関係ないのですね(←当たり前)。
私でも名前は知ってるくらいの偉い人ですが、このCDではジャン・コクトーは狂言回しというか一つの切り口であって、主役はあくまでもサティ&六人組。
まず最初にエリック・サティのバレエ音楽「パラード」を収録。
サイレンやタイプライター、ピストル、空き瓶やパイプを叩く音などを取り入れた騒がしい音楽。
「ジムノペディ」「グノシェンヌ」などのサティの静謐なイメージが覆され、アンタイルの「バレエ・メカニック」を連想します。
ピカソがデザインした奇抜な衣装もあいまって、初演は賛否両論の大騒ぎになったそうです。
あとは六人組の作品が続きますが、どれも粋で軽妙で気が利いてますねー。
ダリウス・ミヨー「屋根の上の牡牛」は作曲者自身の代表作だし、ジェルメーヌ・タイユフェール「電報のワルツ」は優雅に気取った表情がたまりません。
ミヨー:屋根の上の牡牛
タイユフェール:電報のワルツ(「エッフェル塔の花嫁花婿」より)
最後に収められたジョルジュ・オーリック「エウリディケの嘆き」は、どこかで聴いた曲だと思ったら、
グルックのオペラ「オルフェウスとエウリディケ」の「精霊の踊り」を編曲したものでした。
久しぶりに聴いたけど、やっぱり綺麗な曲だなあ〜。
あと解説を読んで「へえ」だったのは、ジョルジュ・オーリックって「ローマの休日」の音楽も担当していたんですね、知らなかった。
(2015.10.24.)