ジョージ・アンタイル/バレエ・メカニック(1953年版)




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ジョージ・アンタイル(1900〜1959)は、アメリカ生まれ。「音楽界の悪ガキ」を自認していたという人。
バレエ・メカニック(1936)は、彼の代表曲です。
画家フェルナン・レジェが映画作家のD・マーフィーとともに1924年に制作した短編映画のための音楽です(撮影はマン・レイ)。
15分程度の曲ですが、楽器編成がすごい。
ピアノ2台、自動ピアノ16台、木琴2台、飛行機のプロペラ2つ、電気ベル7個、ゴング、シンバル、スネアドラム、バスドラム、トライアングル、
タンバリン、サイレン・・・
音楽なのか破壊工作なのかわからなくなります。(つーか、プロペラって楽器なの?)
さすがに演奏機会が少なかったんでしょうか、1953年に縮小版を作りました。
ピアノ4台、木琴4台、電気ベル2個、グロッケンシュピール、プロペラ2つ、ゴング、シンバル、スネアドラム、バスドラム、トライアングル、タンバリン、・・・
・・・ほんまに縮小されとるんかこれ?!

私もオリジナル版は聴いたことがありませんが、そういうわけで縮小版でも充分やかましいですから大丈夫 (なにが?)
ダダダダダダ〜ン! ダダダダ〜! ジャララ、チャララ! デレレレレレレレ・ダララララララララ!
ドンドンドンドコドンドコ! ボボーンボボボボ〜ン、ポコポコチャカポコ・チャカチャカチャカチャカチャッカ! ・・・・出だしはこんな感じです(全然わからんって)

 バレエ・メカニック
 

雰囲気としては、「春の祭典、2次会に突入!」あるいは「発狂したパリのアメリカ人」
ただ、前衛的ではあるものの、決して難解でも暗くもないのですねこれが。
あっけらカーンと陽性・操状態で、危険な香りや退廃の匂いはほとんどしません。
このアンタイルという人、ワルを気取ってはいますが、ホントは明るく気さくないい奴だったのかもしれません。

”FIGHTING THE WAVES”というタイトルがつけられたアンサンブル・モデルン盤が好きです(上の動画の演奏)。
とにかくテクニックが凄い。 とくに木琴が素敵です。
そのうえ曲の精神(「おりゃー、いてまえー!」って感じ)を深く理解、しだいにブチ切れてゆき狂乱状態に突入する頃にはこちらも忘我の境地。

ナクソス・レーベルからも廉価盤が出ています(演奏はPhiladelphia Virtuosi Chamber Orchestra)。
真面目にきちんと演奏しています。
悪くはないのですが、こういう曲を真面目にきちんと演ってもあまり面白くないのがちょっと残念。


(04.1.24.記)



Philadelphia Virtuosi Chamber Orchestra 盤
Amazon.co.jp : Antheil: Ballet Mecanique


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