ジョージ・チャキリス/わたしのウエストサイド物語
(戸田奈津子・訳 双葉社 2021)




Amazon : わたしのウエストサイド物語

映画「ウエストサイド物語」(1961)を初めて映画館で観たのは1970年代、高校生のころでした。
「マイ・フェア・レディ」との豪華2本立てで、観終わったときにはすっかりミュージカル・ファンになってました。

サントラ盤LPを買って、対訳と首っ引きで繰り返し聴き、一時は歌詞を全て覚えてしまったほど。
私の英語力のピークはあのころだったかも(今は見る影もない)。

「ウエストサイド物語」では、清楚で可憐なナタリー・ウッドも姉御肌のリタ・モレノも素敵ですが、
なんといってもしなやかな色気が全身から匂い立つようなジョージ・チャキリス(1932〜)が最高に素晴らしいです。
本書は彼が2021年(89歳!)で刊行した自伝の日本語訳で、訳者は映画字幕のレジェンド・戸田奈津子

 プロローグ (チャキリスは2:15から登場)
 

ギリシャ系移民の7人きょうだいの5番めに生まれ、アリゾナ州で成長。
高校時代にフレッド・アステアとジンジャー・ロジャースのミュージカル映画に魅せられます。
いちどは大学に入るものの結局中退してハリウッドへ。
ダンスと演技の勉強に励み、ミュージカルの端役からスタートするその人生は、絵にかいたようなアメリカン・ドリーム。
語り口はソフトで上品、他人の悪口は言わず、謙虚で紳士的な人柄がにじみ出ます。
まあ自伝ですから自分に都合の悪いことは書かないでしょうが、それを差し引いても「いい人」っぽい感じが随所に垣間見えます。

 アメリカ
 

意外なのは、チャキリスはもともとミュージカル「ウエスト・サイド・ストーリー」のロンドン公演のキャストであり、
その舞台ではベルナルドではなく、敵側のリフを演じていたこと。
映画版でベルナルド役をオファーされて戸惑ったそうですが、その思い切った起用がピタリとはまりました。
ほかにもウエストサイド物語秘話が満載です。

映画「ロシュフォールの恋人たち」の話も出てきますが、ジャック・ドゥミ監督とは残念ながら良好な関係とはいかなかったようです・・・。
それでもチャキリスの出演場面は素晴らしいです。

 「ロシュフォールの恋人たち」より「ふたりの流れ者」
 

それにしても2022年現在、90歳でまだご健在とは。
ネットで近影も検索できますが、年齢を超越したような若々しい姿に驚愕しました。

(2022.02.05.)

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