イグナシオ・セルバンテス/キューバ舞曲集
(アルバロ・センドージャ:ピアノ)



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今日は仕事が早く終わり、夕方には帰宅。

「ただいま〜」と入っていくと、台所で忙しく働くニョウボに「もう帰ってきたの、ご飯まだだよ〜!」と言われました。
娘は高校からそのまま塾に行く日だそうで、まだ帰っていません。

結局ヒマなのは私だけ・・・。
ひとりビールを飲みながら最近お気に入りのこのCDを聴きました。

ラテンでチャーミングでオサレなピアノ曲が38曲。
エキゾティックでハバーナ(?)なムードがムンムンの1枚です。
ほとんどの曲が2分以内、中には1分未満の曲もあって、
「もうちょっと長くても・・・」と言いたくなりますが、その短さ潔さがラテンぽくないですか? 別にないですか、そうですか。

 イグナシオ・セルバンテス/キューバ舞曲集

名作「ドン・キホーテ」を書いたセルバンテスは、じつは作曲もしていた・・・・・・わけではありません。
イグナシオ・セルバンテス(1847〜1905)、19世紀キューバの作曲家です。

ブラジルの作曲家エルネスト・ナザレと作風が極めて似ています。
というかほとんど区別がつきませんが、言い換えればナザレに負けず劣らず魅力的な音楽ということ。
洗練されたロマンティシズム、透明感ある哀愁のメロディ。
トロピカルな中に一陣の涼風を感じさせてくれる洗練された音さばきに、ビールの美味さもアップします。
居間でビールというより、プールサイドでカクテル傾けるリゾート気分で楽しみました。

 キューバ舞曲より
 (このCDの演奏ではありません)

イグナシオ・セルバンテス(1847〜1905)は、ハバナの生まれ。
幼少から音楽の才能を発揮、18歳でパリ・コンセルヴァトワールに入学を許され、ピアノと和声学で1等賞を得ました。
欧州でしばらくピアニスト・作曲家として活躍したあと、キューバに帰国。
じつは当時キューバはスペインの植民地。
「十年戦争(第一次キューバ独立戦争)」と呼ばれる”独立運動派”VS”スペイン”の戦いが始まると、セルバンテスは独立派を支持。
人気ミュージシャンであっただけにスペイン勢力からにらまれ、アメリカに亡命を余儀なくされます。
1898年、米西戦争でスペインがアメリカに敗北し、スペインの力は衰退。
セルバンテスも晴れてキューバに帰国し、1905年にハバナで亡くなったそうです。

スマートでシャープなリズム、おおらかな語り口の中に浮かび上がるデリケートなニュアンス。
作品はライトでオサレですが、本人はかなり気骨のある人ではなかったかと想像します。

(2014.6.12.)

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