カンパニョーリ/ヴィオラのための41のカプリース(ピアノ伴奏版)
(マルコ・ミッシアーナ:ヴィオラ マルコ・シアンネーラ:ピアノ 2021録音)



Amazon : 41 Caprices for Viola Op.22 arranged for Viola & Piano

モーツァルトより5年早く生まれ、ベートーヴェンと同じ年に亡くなった作曲家/ヴァイオリニスト バルトロメオ・カンパニョーリ(1751〜1827)。
生まれはイタリアですがドイツで活躍、1797年にはライプツィヒ・ゲヴァントハウス・オーケストラのコンサート・マスターに就任しました。
オケのメンバーを集めて現在も続くゲヴァントハウス弦楽四重奏団も創設しました。
なお四重奏団のチェリストはあのフリードリッヒ・ドッツアウアーでした。

以前この人の弦楽四重奏曲を聴いて、ハイドンをさらに遊び人にしたみたいな上品な軽妙さに感銘を受けたものですが、
じつはカンパニョーリのもっとも有名な作品は、

 ヴィオラのための41のカプリース 作品22

なのだそうです。
練習曲集で、現代も多くのヴィオラ学習者に愛奏されていて楽譜も簡単に手に入ります。

 

ほんらい練習曲であり鑑賞用ではないのですが、演奏会などで演奏できるように
カール・アルベルト・トットマン(1837〜1917)という人がピアノ伴奏をつけました。
ライプツィヒ・ゲヴァントハウス・オーケストラのヴァイオリニストだったこともある人で、
偉大な先輩へのオマージュというわけでしょうか。
ピアノ・パートは単なる伴奏にとどまらず、しっかり存在を主張して曲に立体感を与えています。

 第35番 アレグロ・スケルツァンド (ヴィオラとピアノのための洒落た小品として普通に楽しめます)
 

 原曲 (重音のためのかなり高度な練習曲だ・・・)
 

まあ、なかには「なるほどこりゃ練習曲だ!」って感じの曲もあるのはご愛敬。

 第19番 テンポ・ア・ピアーチェ (音階の練習曲です、むつかしそう!)
 

 原曲 (なぜか無伴奏のほうが難しそうに聴こえる)
 

堂々たる変奏曲もあります、これは名曲。

 第17番 アンダンテと変奏
 

 原曲
 

ヴィオラの落ち着いた音色と、意外に華やかなところを存分に楽しめる素敵なアルバムです。

 第33番 アレグロ (ちょっとバロック風な対位法の曲)
 

 原曲
 

ヴィオラ学習者の練習用にとどめるには惜しい作品です。
もっと広く聴かれてほしいですね。

(2023.04.22.)


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