ブクステフーデ/カンタータ「われらがイエスの四肢」
コープマン指揮 アムステルダム・バロック・オーケストラ

(エラート WPCS-11120, 国内盤)

 



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珍しい曲が1000円の廉価盤として出たので買ってみました。

ディートリヒ・ブクステフーデ(1637〜1707)は、バッハとのからみで有名な人ですね。

1705年、20歳の若きヨハン・セバスティアン・バッハは、
リューベックのマリア教会のオルガニスト、巨匠ブクステフーデの演奏を聴くために、
4週間の休暇をとってオルガニストとして働いていたアルンシュタットから、400km離れたリューベックまで徒歩で(!)おもむきます(若さだねえ)。
ブクステフーデの音楽は若きバッハに強烈な印象を与えました。
巨匠のパフォーマンスにすっかりはまったバッハは無断で休暇を延長、押しかけ弟子よろしく教えまで乞い、4週間のはずが戻ってきたのは4ヵ月後でした。

68歳のブクステフーデも若く才能あるバッハを気に入り、まもなく引退する自分の後任にならないかと持ちかけました。
リューベックのオルガニストといえば栄誉ある仕事、バッハの心は一瞬動きましたが
条件として当時30歳だったブクステフーデの娘と結婚するよう言われたので、秒でお断りしました。

バッハはすでに、のちに妻となるマリア・バルバラとラブラブだったもんね。

さて、ブクステフーデのカンタータ「われらがイエスの四肢」
室内楽的で透明な響きに魅了されます。
ドイツ・バロックのカンタータといえば、バッハのものしか知らなかったので、
もっと堂々たる華やかな音楽を想像していたのですが。
むしろA.スカルラッティヴィヴァルディのイタリアの室内カンタータのノリに近いです。

内容は、イエス・キリストの「足について」「膝について」「手について」「わき腹について」「胸について」
「心について」「顔について」述べた7編のラテン語の詩に作曲した、7〜10分の小カンタータをまとめたもの。
なかなかユニークですが、フェティッシュなところはとくにありません。 ごくごく真面目な曲です。

 第1曲「足について」
 

声楽が嫌いでなくて、静かな曲がお好きなかたにはおすすめです。
お寝み前に聴くと落ち着きます。

 全曲 (このCDの演奏ではありません)
 

なお、勝手に休暇を延長したバッハはふたたび徒歩で(!)アルンシュタットに戻ったあと、上司の教区監督から呼び出され審問を受けましたが、
幸い大きなお咎めなく許されたようです。

(01.11.03.記) 


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