岡崎二郎SF短編集 ビフォー60
(復刊ドットコム 2016年)
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「私の場合、連載途中での打ち切りが多かったたもので、各シリーズで本に入らなかったものがいくつかあります。
この本は、それら半端なものたちを寄せ集めた本です。」
(「まえがき」より)
岡崎二郎は、SF短編を得意とする漫画家で、代表作は「アフター0」。
シンプルで可愛らしい絵柄と、理屈っぽい内容のギャップが魅力(?)で、ビッグコミックに掲載された「アフター0」でファンになり、ほぼすべての単行本を集めました。
最近、作品を目にすることがなくなって寂しく思っていましたが、復刊ドットコムから久しぶりに単行本が発売されました、やったー!
岡崎二郎SF短編集 ビフォー60
新作ではなく、様々な事情で単行本未収録だった短編を13本収録したもの(加筆修正、前説、後説漫画つき)。
巻末には岡崎二郎全作品リストがついています。
タイトルは作者がもうすぐ還暦なのにちなみつつ、「アフター0」をもじったわけですね。
まあ30点程度のオヤジギャグですな。
嬉しいことにすべて初めて読む作品でした。
親しみやすい絵と、理系で堅いストーリー、岡崎ワールドを堪能しました。
「タイムマシン」なんか、控えめに言ってわけがわかりません(かなり加筆したそうですが、それでもわからん)。
でもいいのです、この人の画と雰囲気が好きなのです。
2000年に発表された短編「レディ・エクスプローラー」が最高でした。
「理系風味の女インディ・ジョーンズ」って感じで、岡崎二郎らしさ大爆発の傑作。
連載するつもり満々で張り切って描いたのに、あえなく第1作のみで打ち切りとなったというきわめつけの残念作品でもあります。
続いていればさぞかし楽しいシリーズになっていたのでは・・・。
あとがきによると、現在「リタイア状態」だそうですが、またどっかで描いていただきたいなあ。
なお、コミック単行本としてはお値段は少々お高いです、あくまでもファン向けの本ですね。
これから岡崎二郎を読もうという方は、まず「アフター0」からどうぞ。
(2016.10.27.)