ダニエル・ダル・バルバ/レクイエムと宗教曲集
(アルベルト・トゥルコ指揮 アンサンブル・イル・ナバロ ほか)



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ぽかぽか&ぬくぬくなレクイエム

イタリアの作曲家 ダニエル・ダル・バルバ(1715〜1801)。

思わず「ダレ・ソレハ?」と聞き返してしまいそうなほどに無名の作曲家。
しかしその音楽は典雅で優美、薫り高くしかも洗練されています。

そもそもレクイエムがこんなに穏やかで暖かくていいかしら?!

 レクイエム 第1曲「Requiem Aeternam」
 

ダル・バルバはヴェネツィアなどでオペラ作曲家・歌手・ヴァイオリニストとして活躍したのち、
1762年に47歳でヴェローナ大聖堂の楽長に就任します。
エンタメの世界から宗教音楽に転身したわけですね。
1770年にはイタリア旅行中のモーツァルトにも会っています。
心地よく、わかりやすい旋律で調和のとれたシンプルなスタイルを教会音楽に導入したと言われているそうです。

彼のレクイエムは明るく晴れ晴れ、「怒りの日」も大して怒っていません、なんか優しいです。
ヴェルディが「なんじゃあこりゃあ?!」と言ってきそう。

 レクイエム 第3曲「怒りの日」
 

「神よ、あなたを讃えます」を意味する「テ・デウム」は、たくさんの作曲家が曲をつけていて、
壮大でゴージャスな響きで圧倒するような合唱曲が多いですが、
ダル・バルバのは神を讃えるというよりは「神様とお友達になりましょう」と言ってるような感じです。

 テ・デウム
 

以前この人のヴァイオリン・ソナタ集を聴いて、「春の日差しのようなのどかな曲ばかりだ!」と思ったのですが、
声楽曲も同じ雰囲気でサイコーでした。
インパクトに乏しいことは否めませんが、これだけ綺麗で心地よければ十分すぎておつりが来ます。

(2024.01,26.)


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