アーサー・フット/管弦楽曲集
(ジェラード・シュワルツ指揮 シアトル交響楽団)




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明るいブラームス、あるいはアメリカのエルガー?

<曲目>
フランチェスカ・ダ・リミニ 作品24
セレナード 作品25 より 「エア」「ガボット」
オマル・ハイヤームの「ルバイアート」による4つの性格的小品 作品48
組曲 ホ長調 作品63


アメリカに生まれ、主にボストンで活躍した作曲家アーサー・フット(1853〜1937)。
以前、室内楽曲集をご紹介したことがあります。

「明るいブラームス」または「都会的なドヴォルザーク」のようなその作風、じつに私好み。
「こんな作曲家がいたんだ、しかも19世紀アメリカに!」 と、びっくり仰天したものです。
ハーバードの音楽科(あるんだ)で主に学び、留学経験はないにもかかわらず、作風は徹頭徹尾ヨーロピアンでアカデミック。
フォスタージョプリンガーシュインと同じ国の作曲家とは思えません。
よく知りませんが、おそらくは上流階級の出身、育ちが良いのでしょうね。

そんなフットの管弦楽曲集がリリースされました。
どの曲も心地よい流麗さにあふれています。
際立った個性はありませんが、とにかく聴いていて気持ちが良い。
どの作品も上品で洗練されています。

最初の交響詩「フランチェスカ・ダ・リミニ」を、「エルガーのあまり知られていない作品だよ」と言って、
クラシックに詳しい友人に聴かせてみましょう。
「エルガーらしい上品な曲だねー、埋もれるのは惜しいよ」と言うかもしれません。

 

「弦楽のためのセレナード」から抜粋された「エア」の美いこと。
バッハの組曲第3番の「エア」のパクリじゃん、などと本当のことを言ってはいけません。
チャイコフスキーやドヴォルザークのセレナードのどの楽章にも負けていないと思います。

 セレナード 作品25 より「エア」
 

オマル・ハイヤームの「ルバイアート」による4つの性格的小品 作品48 は、
エキゾティックな味付けが面白い管弦楽組曲
とくに第2曲アレグロ・デシーソは、東洋的というより東欧的で、
かのハンガリー舞曲やスラブ舞曲を連想します。

組曲 ホ長調は、弦楽のための洒落た三楽章の音楽。
グリーグの「ホルベアの時代から」に、どことなく似ています。

重い音楽、深刻な音楽、個性的な音楽がお好きな方には物足りないかもしれませんが、どれも丁寧に作られた上質な作品ばかり、大変楽しめました。

(10.4.19.)


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