アンジェラ・ヒューイット/バッハ・アレンジメンツ
(Angela Hewitt/Bach Arrangements, 2001)




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バッハのチェンバロ以外の曲をピアノにアレンジしたアルバムはたくさんありますが、とりわけ暖かくて柔らかな印象を受けるのがこの一枚。

 アンジェラ・ヒューイット/バッハ・アレンジメンツ (2001)

人肌のお燗のようなバッハです。
おつまみはあっさり湯豆腐といきたいところ。

編曲者はウィリアム・ケンプ、マイラ・ヘスといったお馴染みどころから、ウィリアム・ウォルトン、ジョン・アイアランドなど「へえ〜」と言いたくなる顔ぶれまで。
ヒューイット自身による編曲もあります。

控えめでやさしい空気感で統一されていて、オーバーな表現や技巧をひけらかすようなところはなく、
有名なブゾーニ編曲による「シャコンヌ」は、あえておさめられていません。
盛り上がっちゃいますからね、あの曲。

じっくり聴いても味わい深いですが、BGMとして抑えめの音量でリビングに流しても素敵です。
いつまで聴いても飽きません。

 オルガン小曲集より「われら悩みの極みにありて」BWV641 (アンジェラ・ヒューイット編曲)・COVID-19によるロックダウン中の自宅録音
 

アルバムのひそやかなたたずまいとは裏腹にヒューイット自身は強い思い入れを持っているようで、長文のライナーナートを自ら執筆、
各編曲者や、編曲のコンセプトについて熱く詳細に語っている・・・ようです、英語力に自信のある方はどうぞ。
なおライナーノートの最後には

 「この録音を、教会オルガニストで合唱指導者であった父ゴドフリー・ヒューイットに捧げる。彼は私にバッハのなんたるかを教えてくれた」

とあります。
親孝行な娘だなあアンジェラ、偉いっ!

(2021.01.23.)


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