この暑さにやられて、チェロがいかれちまいました。
数週間前から音が濁りはじめ、ついには雑音が混じるように。
「練習するほどに下手になっているのかな、ボク・・・?」(←十分ありうる)
と落ち込んでいたのですが、チェロの先生に見てもらったところ、
側板と背板の間に隙間が2か所もあることがあっさり判明(←自分ではわからないのが情けない)。
原因はたぶん猛暑と湿度。
しかし節電が叫ばれるこの時期、練習部屋を24時間エアコンかけっぱなしにするわけにもいきません。
2年前にも同じようなことがあったし、何か対策を考えないといけないんですが・・・。
とにかく修理に持って行きました。
驚いたことに、私の住む香川県には、弦楽器職人さんがいません。
なので高松のヤマハから大阪の工房に送ってもらうのです。
日数も手間も送料もかかるんですよねえ。
どこかに香川県で店を持とうという奇特な弦楽器職人さんはいらっしゃいませんでしょうか〜?
うどんおごりますよ!(←安っ!)
そして本日、5日ぶりにチェロが戻ってきました。
早速弾いてみると・・・。
おお! 音が濁らない! 雑音もしない!! 気のせいか上手になったような気がするぞ!(←気のせいです)
チェロがない間、「静かでいいなあ」と喜んでいた家族には悪いですが、
本日より練習再開させていただきます!
さて話は変わって、先日「映画の感想小屋」を開設してから、手持ちのDVDをいろいろ見直しています。
で、「やっぱりいいなあ〜」と思ったのがこれ
ボブ・フォッシー監督「オール・ザット・ジャズ」(1979)
ボブ・フォッシー(1927〜1987)は超有名なダンサー・振付師・演出家。
そしてこの映画の主人公は、超有名なブロードウェイ・ミュージカルの振付師・演出家・・・ってもろに自分ですやん(演じているのはロイ・シャイダー)。
家族もかえりみず、酒と煙草とクスリと女にまみれながら仕事仕事仕事仕事にあけくれて、しまいに心臓麻痺で死んでしまうというストーリー。
なんか身も蓋もない話ですが、自らの死を予感しながら仕事に打ち込み、しっかり女も口説く主人公。
鬼気迫ると同時に、飄々とした軽さ、悟りの境地、破滅の美学のようなものを感じます。
内臓が飛び出しそうなほど咳き込みながら、シャワーのときもタバコをくわえたまま。
ヴィヴァルディの「アラ・ルスティカ RV151」を聴きながら気合を入れ、ヤクを一発キメて仕事にレッツゴーのアブナイ中年男。
ジョージ・ベンソンの「オン・ブロードウェイ」が流れる冒頭のオーディション・シーンの美しさと厳しさ。
主人公の愛娘と愛人が自宅で踊る「エヴリシング・オールド・イズ・ニュー・アゲイン」など、素晴らしいダンス&ミュージカル・シーンがてんこ盛り。
随所に「死の天使」(ジェシカ・ラング、美しい)との対話が挿入され、フィナーレは瀕死の主人公が最後に見る夢。
「バイ・バイ・ラヴ」ならぬ「バイ・バイ・ライフ」を熱唱しながら人生を振り返る豪華絢爛ミュージカル・レビューという洒落た(?)趣向です。
オープニング・シーン
ロードショー公開時に観て強烈な印象。
LDが出たら買って、DVDが出たら買いました。
何年かごとに観かえすのですが、年をとってから観るほどに若すぎて何だか分らなかったことがリアルに感じてしまう個所があっちにもこっちにも見つかる「深い」映画であります。
最初に見たときはまだ十代だったからなあ・・・。
フィナーレ(Bye Bye Life)
(2012.7.30.)