カポーティ/ティファニーで朝食を(1958)
 村上春樹 訳  新潮社 2008年



Amazon.co.jp : ティファニーで朝食を


ティファニーの店内にいるみたいな気持ちにさせてくれる場所が
この現実の世界のどこかに見つかれば
家具も揃え、ネコに名前をつけてやることだってできるのにな。

(52ページ)


みなさまは、朝食は食べる派ですか、食べない派ですか?
私は「絶対食べる派」
仕事に遅刻してでも食べますよ、えっへん(←早起きしろよ)
「朝食原理主義者」と呼ばれることにもやぶさかではありません。

基本的にはトースト、目玉焼き、ソーセージ、レタス、コーヒー。
毎朝作ってくれるニョウボに感謝です。
コーヒーだけは私の担当、豆を挽いて淹れます。
たまに和食にして、卵かけご飯に味付け海苔と味噌汁というのもいとおかし。
こんなこと書いてると、まだ午前10時半なのにお腹がすいてきましたよ。
いや、今日も朝ごはんちゃんと食べたんですけど。

さて朝食と言えば、トルーマン・カポーティ「ティファニーで朝食を」の新訳が出ました。
むかしむかし、まだ10代の頃に、竜口直太郎 訳(新潮文庫)で読みましたが、
今回の訳者はなんと大作家・村上春樹 大先生。

昔読んだときは、ホリー・ゴライトリーが、自由で自立している大人の女のように思えたのですが、
いま読むと、じつは幼く危なっかしい少女だったんですねー。
「ティファニーの店内にいるみたいな気持ちにさせてくれる場所」を見つけるため
大都会ニューヨークを、気ままに軽やかに闊歩するホリーの姿を、作家志望の「僕」の目を通して描きます。

小説というよりは一編の長い詩のような作品です。
ノーマン・メイラーは
「『ティファニーで朝食を』の中でこれは換えたほうがいいと思うような言葉は二つもなかった」
と述べているそうで(ひとつはあったのかな・・・?)
村上さんのあとがきにもあるように、「研ぎ澄まされた無駄の無い文章」をただ楽しむのみ。
ラスト近く、ホリーと「名無しの猫」の場面は何度読んでも泣きそうになります。 にゃぁ。

オードリ・ヘップバーン主演の映画も有名ですが、
原作とは全く別の作品になってることは、広く知られています。
とくにラストは180度違ってます。
原作を読んだあと、TVの洋画劇場でこの映画を観た時の驚きというか
「ちがうじゃねーか!」感は、おぼえの悪い私には珍しく、いまも記憶に鮮明です。
やっぱりホリーには「自由なれど孤独に」生きてほしいですね。

でも、オードリーが窓辺で「ムーン・リヴァー」を歌うシーンは良かったな。

 You Tube/Moon River from Breakfast at Tiffany


(08.5.24.)


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