スッペ/レクイエム
ゲルト・シャラー (指揮) フィルハーモニー・フェスティヴァ
ミュンヘン・フィルハーモニー合唱団 アンドレアス・ヘルマン (合唱指揮)
マリー・ファイトヴァー (ソプラノ) フランツィスカ・ゴットヴァルト (コントラルト)
トミスラフ・ムジェク (テノール) アルベルト・ペーゼンドルファー (バス)



Amazon.co.jp : スッペ : レクィエム ニ短調

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Tower@jp : Suppe / Requiem


先日、ほろ酔い気分でネットの海をただよっていて、偶然出くわしたCD。

 スッペ/レクイエム

フランツ・フォン・スッペ(1819〜1895)と言えば、小学校の音楽の時間に「軽騎兵・序曲」を聴きました。
メロディのはっきりした、子供にも親しみやすい曲で、アナログレコート(なぜか直径20cmだった)を買ってもらって家でも聴いた記憶があります。
あと、「詩人と農夫」序曲も有名。
それから「恋はやさし 野辺の花よ」という歌は、スッペのオペレッタ「ボッカチオ」のアリアなんだそうです。
どれも一聴、耳を引き付ける魅力があり、素敵なメロディ・センスを持った作曲家です。

おもにウィーンでオペレッタ作曲家として活躍、現在はいくつかの序曲で名を知られるのみのスッペですが、
そういえば昔、

 「スッペは意外と(←失礼な)立派で美しいレクイエムを書いている

という話を聞いたことがあります。
これがその、噂のレクイエムか・・・。

 「よし、聴いてみるとスッペ!

注文しました。

なんと、75分にも及ぶ大曲です!
モーツァルトのレクイエムの影響があちこちに感じられ、そっくりなフレーズも聞かれます。
たしかにしめやかで美しい作品であります。

 そしてなにより親しみやすい!

こんないい曲が長いこと忘れられていたとは・・・。
同じくオペラ作曲家であるヴェルディの「レクイエム」が、名曲としてしっかり認知されているのに比べると、少々お気の毒。

モーツァルトに似すぎていて、独自の個性・アクが感じられないことも敗因か。
基本的に上品で、ヴェルディの「怒りの日」みたいに一度聴いただけで強烈に記憶に残る個所がないのも痛い(いや、べつにヴェルディが下品ってわけじゃなくて・・・)

 スッペ:レクイエムより「怒りの日」
 

あとはやっぱり名前がねえ・・・。

 スッペ

どーしようもないことですが、「スッペ」って・・・響きが軽っ! 
重々しさが致命的に不足しているうえ、明らかにひょうきんな印象を与えます。
意味は「スープ」、日本人なら「汁」さんってこと?
主に活動したオーストリアでは、「スッ〜」と、「ペ」にアクセントをつけて発音するそうで、ますます締まりがありません。
オペレッタならまだしも、レクイエムの作曲者としては、問題でしょう(←そうか?)
ここはひとつ、重々しいペンネームとかリングネームとか使ってほしかった。

ちなみにスッペの本名は、

 フランチェスコ・エゼキエーレ・エルメネジルド・スッペ=デメッリ

という、「寿限無」みたいな長い長い名前。
長すぎるのでフランツ・フォン・スッペと名乗ったそうですが、本名の大仰さも捨てがたいのでは・・・と思いました。

 スッペ:レクイエムより「ラクリモーサ」
 

(2013.4.20.)

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