カーペンターズ/A Song For You(1972)



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Tower@jp : Carpenters/A Song For You


昔、高校生のころの思い出(1970年代であります)。
春休みさなかの4月1日に、友人がわざわざ電話をかけてきました。

 「知っとるか? カーペンターズが結婚したらしいで!」

 「へえ、どっちが? 誰と?」

 「カーペンターズ同士や、お互いにや!」

 「え、カーペンターズって、兄妹やろ? 結婚できんやろ。」

 「アメリカでは無理や。 しかーし、スウェーデンでは兄妹で結婚できるらしい、進んどるからな、あそこは。
  それで金でスウェーデン国籍を買うて結婚したらしい」

 「へえ〜、そうなんや〜」

・・・新学期が始まるまで信じこんでいました。
いやあ、懐かしいなあ〜、いい思い出だなあ〜(苦笑)。
70年代には、誰もが聴いていて、みんなファンだったカーペンターズです。


そういえば今年はカレン・カーペンター(1950〜1983)没後30年
30年・・・もうそんなになるのか。
持ってるCDを聴きなおしたり、持ってないのを買ったり、ただいまカーペンターズ回顧週間を開催中の私です。

ならば自分も久しぶりにカーペンターズを聴いてみようと思われたそこのあなた。
まずは手っ取り早くベスト・アルバムに手が伸びるかと思いますが、
カーペンターズはベスト・アルバムが山のように出ていて、どのベスト・アルバムを聴けばいいのかわかりません。 
「いったい何のためのベストだよ! 大人は汚ねーよ!」と盗んだバイクで走りだしたくなります。

なので私は断然オリジナル・アルバム派。
オリジナル・アルバムは、兄のリチャード・カーペンターが曲順・構成を考え抜いて作っています。
それをトータルな作品として味わうことこそが、正しいファンの姿勢であると言っても華厳の滝ではありません。

いま一番のお気に入りは、

 「A SONG FOR YOU」(1972)
 
絶頂期の傑作であり、前半(LPではA面)の5曲はそのまんまベスト・アルバムに入れてもいいくらい。
"A SONG FOR YOU" "TOP OF THE WORLD" "HURTING EACH OTHER" "IT'S GONNA TAKE SOME TIME" "GOODBYE TO LOVE"
・・・怒涛です、畳み掛けです、タイトル並べただけで悶絶しそうです。
よくもまあこれだけ名曲ずらずら並べられるもんです。

 

 

 

6曲目(A面ラスト)は、アカペラ・コーラスによる短い"INTERMISSION"(わずか23秒)。
歌詞は一行。

 ”We'll be right back after we go to the bathroom" (バスルームに行ったらすぐ戻ります)

・・・トイレ休憩かい!
つまり、アルバム全体をひとつのコンサートに見立てているのです。
こういうお遊びはベスト・アルバムでは味わえません。
CDでも、ここでいったん休憩を入れたいところです。

後半(LPではB面)は、ちょっと地味ですが、カレンは1曲歌った後引っこんで、兄リチャードをフィーチャーした曲が2曲続きます。
お兄さんの作曲・アレンジ能力の高さと、ピアノの腕前を堪能しましょう。
コンサートなら、この間にカレンは休憩したり着替えたりしてるわけですね。

そしてカレン再登場、名曲"I WON'T LAST A DAY WITHOUT YOU"です。
この曲、大好きなんですよ。

 

二人のデュエットによる"CRYSTAL LULLABY"のあと、実質的なラスト・ナンバー"ROAD ODE"
コンサート・ツアーの辛さを歌った、これが問題作。

 Rented cars and empty motel rooms lead you everywhere but home
 Crowds of people shouting how they love the show
 They don't know
 The endless crowds of faces just keep on wearing smile
 The countless times and places lead me back
 Please take me home

 レンタカーと空虚なモーテルの部屋はあなたをいろんなところに連れてゆくけど、家には帰してくれない
 群衆がショーを気に入ったと叫んでいる
 彼らは知らない
 尽きることのない群衆の顔は微笑みをまとい続け
 数えきれない回数、数えきれない場所から呼び戻される
 どうか私を家に帰して

 

・・・カーペンターズ自身の作詞ではなく、バンドメンバーの作品ですが、わざわざこの曲をラストに持ってくるとは。。。
カレン・カーペンターのその後を考えると、何とも言えない気持ちになります。

"A SONG FOR YOU"がリプライズされて、コンサートじゃなかったアルバムは閉じられます。

すでに名盤の名をほしいままにしているアルバム「A SONG FOR YOU」ですが、あらためて聴くと、ビートルズの「サージェント・ペパーズ」を意識した
トータル・アルバムとして作られている気がしてきました。
あのアルバムもラストの"A DAY IN THE LIFE"は暗く不安な気持ちになるし・・・(深読みしすぎ?)

(2013.4.29.)


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