Amazon.co.jp : ジェフスキ:「不屈の民」変奏曲 他
今日2月14日は土曜日ですが、職場に来ています。 仕事です。
そもそも週休二日のはずですが、そんなものは何年も前から有名無実。
まあ、不屈の根性で働くしかありません。
バレンタイン・デー? 何ですかそれ?
ガ、ガンバルゾー・・・(はあ・・・)。
さらに不屈なところを発揮するべく、こうして仕事の合間を盗んでホームページの文章も書いているのです(←なにか間違ってないか?)。
こんな日に取り上げる音楽といえば、やはりこれです。
フレデリック・ジェフスキ(1938〜2021)/「不屈の民」による36の変奏曲(1975)
チリの革命歌を主題とする、ピアノのための巨大な変奏曲です(演奏時間1時間以上!)。
18世紀の「ゴールドベルク変奏曲」、19世紀の「ディアベッリ変奏曲」に(少なくとも演奏時間では)匹敵する20世紀の大変奏曲であります。
作曲者ジェフスキは、アメリカ生まれ。
筋金入りの左翼さんだそうで、革命歌を主題にしているのは、そのためです。
こんな歌です
↓
「不屈の民」
は、迫力ありますね〜。
政治的な音楽作品というのは昔からありまして、バートの「ミサ曲」には、イギリス国教会に対する挑戦の意味合いがあるし、
ベートーヴェンの「英雄」は、ナポレオンへの賛美/批判がこめられているし、シェーンベルクの「ワルシャワの生き残り」は、ナチス・ドイツに対する痛烈な告発です。
どのような政治的意図がこめられていようと、純粋に音楽として優れていれば残っていくし、そうでなければ忘れ去られます。
さて、ジェフスキの「『不屈の民』変奏曲」は、現代の古典として残ってゆくでしょうか?
「不屈の民」変奏曲より(作曲者による演奏)
もっともこの作品、曲自体は全然政治的でないです。
シンプルで親しみやすい主題をもとに、さまざまな語法と超絶技巧を駆使した変奏が、ひたすらに繰り広げられます。
古典派風、ロマン派風、無調、ミニマル、ジャズ、ブルース、直接弦をはじく内部奏法もあります。
大変聴きごたえのある作品ですが、それにしても長い・・・。
しかも、どういう意図かこのCDは全曲をひとつのトラックにしているので、いま第何変奏なのかさっぱりわからなくなります。
それでも何とか最後まで行きついて、主題がふたたび立ち現れるところ(59分16秒)ではゾクッときました。
感動と言うか、「全部聴き通したぞー!!」という達成感ですね。
「これで自分も『不屈の民』の仲間入りだ!!」
と晴れ晴れした気分で聴き終えることができます。
さあ皆様も「不屈の民クラブ」にぜひどうぞ! (何の勧誘だ)
(09.2.14.)