ラッブラ/交響曲全集(全11曲、5枚組)
(Chandos CHAN 9944(5))
ヒコックス指揮 /BBC National Orchestra of Wales



Amazon.co.jp : Edmund Rubbra: Complete Symphonies



こないだちょっとハイになってた時に、イキオイで買ってしまったCDです。
いやあ、気をつけんといけませんねえ、ネットショッピングというやつは。
ふっと気が大きくなって、購入ボタンをワンクリックしてしまうと、もう買ったことになってるんです(@amazon)。

もちろん取り消そうと思えば取り消せるのですが、なにしろ気が大きくなってますから、そんなことは思いもしません。

「交響曲が11曲? 5枚組? 上等、上等! 聴いたるわっ!」

ってなもので、もうどうしようもないですねこりゃ。

そんなわけで数日後に届いてしまったこのCD。
「誰が聴くんだ? こんな聞いたこともない人の書いた交響曲?」(自分じゃ!)

エドムンド・ラッブラ (1901〜1986) は、20世紀イギリスの作曲家。
といっても日本ではほとんど知られていません。
おそらくイギリス以外では無名に近いのでは。

11曲の交響曲は1937年から1980年にかけて書かれ、
とても20世紀とは思えないほど、古色蒼然・泰然自若・形式堅固・浪漫全開な作品ぞろい。
最初の数曲はひとことで言うと、「ボーっとしたブラームス」みたいです(どんなんや?)。
後期ロマン派っぽい、重厚で落ち着いた渋い音、心地良く聴けるのですが、
どーもメリハリがないというか、「売り」がないというか、サビのメロディどこなんだろ〜というか・・・(交響曲にサビでもないでしょうが、とにかくそんな感じ)
部分的には美しい箇所も多いのですが、聴き終わってみると曖昧模糊とした印象しか残っていない・・・(私の聴き方が浅いのが一番の理由でしょうが)。
服装も立居振舞も立派なのに、態度が控えめなため、印象薄いイギリス紳士、というところかな。

 ラッブラ:交響曲第4番より
 

響きは綺麗で、ちょっと地味めの映画音楽という雰囲気です。
とくに第6番第2楽章ラルゴ・エ・セレーノは、ホルストの「金星」をシブ〜クしたような、美しい瞑想的な音楽。

 ラッブラ:交響曲第6番 第2楽章
 

しかし、第7番(1957)あたりからブラームスの影響は影をひそめ、ラッブラ独自の瞑想的な世界が花開きます。
形式もぐっと自由になり、第9番(1972)は独唱・合唱を起用した宗教的な作品(ベートーヴェンを意識した?)
交響曲というよりはオラトリオですが、とても劇的で美しい音楽だと思いました。

第10番(1975)は「Chamber Symphony」と題された、小編成の15分くらいの作品。
しかし簡潔で落ち着いた味わい、とはいきません。 錯綜する対位法、揺れ動くテンポ、一筋縄でいかない渋い音楽。
最後の第11番(1980)は、これまた15分の単一楽章の短い曲。シベリウスの最後の交響曲を連想します。
随所で美しいきらめきを見せつつ、ちゃんとクライマックスも作り、最後は静かに、かつ唐突に、謎めいた終わり方をします。

現代音楽全盛の20世紀に、ひたすらロマンティックな調性音楽を書き続けた作曲家は何人かいますけれど、
ラッブラはその中でも独自の道を歩んだ頑固親父、と言いたい気がします。
これからしだいに高く評価されてゆく・・・とは思えませんが、それなりの存在感を持つ作品群ではありました。

(03.7.13.記)


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