今敏/パプリカ(2006)



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医療研究所が開発した、他人の夢を共有できる画期的テクノロジー“DCミニ”が盗まれた。
それを機に研究員たちが、何者かに支配されるかのように奇怪な夢を見るようになる。
セラピスト千葉敦子は、別人格“夢探偵パプリカ”に姿を変え、クライアントの夢の中へと入り込む。
ところが操られた夢の中で、おぞましい罠がパプリカを待ち受けていた。



3週間ほど前に替えたばかりのチェロのA弦が切れてしまいました!
先日、2日ぶりに練習でもするかと思い(だめじゃん)練習部屋に入ると、弦がだら〜んとなってまして、
「あれー、ゆるんだかなー?」と思ってよく見ると切れてました。
自然に切れるもんなの!? 新品なのに! ・・・・・・不条理だあ〜! 絶望しました。

おまけに今日からパソコンの調子が悪い。
起動すると、黒い画面に白文字で"checking file system on C なんたらかんたら"という文章が。
「パソコンチェックするけんね〜」という事みたいなので、そのままおとなしく待っていても、途中でフリーズして終わらない。
調べると、ハードディスクが壊れかけているらしいです。
システムメインテナンスからハードディスクの修復を試しても、やっぱり途中から進みません。
5年間ほど、ほぼ毎日使ってるパソコンだから、そろそろ寿命が来ても不思議はないですが・・・やれやれ。

まったく、悪い夢でも見ているみたいです。

さて悪い夢といえば、今敏監督のアニメ映画「パプリカ」(2006)。
早すぎる死が今も惜しまれる天才監督の最後の作品にして最高傑作です。

 パプリカ オープニング・クレジット
 

筒井康隆の原作を上手に刈り込み、登場人物も大胆に削除・統合し、ストーリーをシンプルかつスピーディーに改変。
凝りに凝った映像を駆使してシュールな悪夢の浸食を鮮やかに描写、観る者の脳髄を撹拌してくれます。
途中から、そして観終っても、どこまでが現実でどこからが夢なのかわからなくなる酩酊感。
極彩色のイマジネーションの氾濫に、眩暈がするほどです。
画面のすみずみに細やかな神経が通っていて、観るたびに発見があります。
電化製品や人形やカエルが練り歩く悪夢のパレード、世界が溶解し落下するシーン、何度も見ていると、現実に戻れなくなりそう。

 

いっぽう、飛翔するパプリカの爽快感も魅力的。
 

そしてこのシーンの衝撃。
 

10年以上前の作品とは信じられません、全然古びてないです。
さまざまに工夫を凝らした仕掛けがあり、「ほう」と感心させる類の、「知」に働きかけてくるアニメ。
子どもには絶対わからんと思います、というか未成年には見せちゃいけませんね、こんなアブナイ代物。

平沢進の音楽がまた素晴らしい。
ブルガリアン・ヴォイスやモンゴルのホーミーやジャワのガムランを大胆に取り入れた多彩な響きは、
土俗的で呪術的で悪魔的で夢幻的で未来的で、でもどこか古楽風でもあります。
ザラザラと感覚を逆撫でする音響は、一度聴いたら忘れられません。
聴くだけで悪夢が見られそうな、素晴らしいサウンドトラック。
 

ドキドキするほどスリリングで、とんでもなくシャープで、怖いくらい精緻で、悪夢と抒情が絶妙のバランスで配合された名作です。

(2018.02.08.)

原作小説


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