大塚国際美術館(2017訪問)
「インスタ映えする美術館」として一部で話題の大塚国際美術館に行ってまいりました(@徳島県鳴門市)。
10年ぶりの再訪です (倉敷の大原美術館じゃないですよ)。
この美術館にはいくつかの特徴があります。
@展示面積は日本最大(普通1日で観切れない)
A入場料が日本一高い(大人3240円)
そして最大のポイントは
B展示品はすべて「複製」
したがって
C写真撮り放題(一部フラッシュ禁止)
Dそれどころか触っても怒られない
のです。
展示品は、古今の名画を原寸大で陶板に焼き付けたもの。
最近制作された展示物は絵の具の凹凸も再現されていて、本物と見分けがつかないほど。
それが1000点以上ずらりと並べられているうえ、「環境展示」といって、オリジナルと同じ展示状態を再現しているものも。
美術館というよりは、「美術のテーマパーク」ですね。
有名な絵画で、ここで観られないものを探すのがむつかしいほど、とにかく超楽しいっす。
地上2階・地下3階の巨大な建造物。
地下3階から入場、目の前には長いエスカレーター。
徳島県で一番長いエスカレーターはおそらくこれでしょうと根拠もなく断言。
ゆっくり上がってゆくにつれて、期待も高まってくるという巧みな演出、やっぱりテーマパークです。
エスカレーターを登りきると、待っているのはヴァチカンのシスティーナ礼拝堂をそのまま再現した環境展示、「システィーナ・ホール」。
壮大なスケールに度肝を抜かれます。
本物は側面も壁画で覆われていて、そこまでは再現されていませんが、将来的には完成されるのかも。
←こちらは本物
なおヴァチカンにある本物では、写真撮影も、天井画を眺めるために寝っころがるのも禁止らしいのですが、
ここならベンチに寝っころがっていくらでも眺められて写真も撮り放題 (実際何人もベンチでゴロンしていた・・・もちろん私も)。
隣には、また別の美しい環境展示「スクロヴェーニ礼拝堂」があります。
本物はイタリアのパドヴァにあり、観覧には事前予約が必要、時間制限有りで写真撮影厳禁らしいですが、ここなら何時間いて写真撮りまくってもOK。
ベンチもあるので寝っころがって天井眺め放題。
ここでも寝っころがって神秘的な青い天井をボーッと眺めていたら、あやうく眠りに落ちそうになりました。
月2組限定で結婚式もやっているそうです。
エル・グレコの「大祭壇衝立画」も圧巻。
本物はナポレオン戦争時に散逸し、現在6点の絵画は世界各国の異なる美術館で普通の額縁に入れられているそうですが、
本来は祭壇に組み込む形でこのように展示されていたであろう状態を再現しています。
ちなみに祭壇の制作だけで1億ウン千万円かかったそう。
だから祭壇に触れないように柵が設けてあります(あくまで祭壇に)。
こうした多彩な「環境展示」は、十数点におよびます。
もちろん普通の絵画もいっぱい。
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どこかで見た名画が次から次へ、これでもかこれでもかと登場、だんだん麻痺してきます。
こんな写真も撮れます。
中庭にはモネの「睡蓮」が、パリのオランジュリー美術館と同じ配列で展示されています。
オランジュリーはもちろん室内ですが、モネ自身は「太陽の光の下で観てほしい」と言っていたことを踏まえての屋外展示。
1000年以上劣化することのない陶板だからこそできることです。
有名なブリューゲルの「バベルの塔」も、本物は近くでじっくり見ることは不可能ですし、画集では小さくて細かいところは見えません。
でもここなら原寸大の陶板レプリカに顔を近づけてゆっくり見られます。 触っても怒られません。
ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」は、修復前と修復後を向い合わせに展示しています。
修復前の絵は、今となってはここでしか観られないことになります。
個人的にツボにはまったのが、ジョゼフ=マリー・ヴィアン「アモルを売る女」。
アモル(天使)売りです!
羽つまんで持ってるし! そうか、天使ってこうやって持つのか!(子猫かよ)
籠の中ではすやすや寝ている天使が二人(二匹?)。
つかまれた天使が微妙にガッツポーズをしているようなのも可笑しい。
それにしても買ってどうするの?
飼うの? 食べるの? 繁殖させるとか?(どうやって?)
面白い絵でした、本物はルーブルにあるそうです。
しかし、とにかく広い・・・。
順路に従い、古代からルネサンス、近代、現代へと美術史をたどっていくのですが、時間がなくて途中からは駆け足。
お昼の12時前に入場したのに、17時の閉館までに全部見ることはできませんでした。
く、悔しい・・・・。
また来るぞ! (←思う壺)
ちなみにミュージアム・ショップも充実、お土産選びが楽しいです。
ムンクの「叫び」和三盆が売り切れていて悲しかった・・・。
また来るぞ、そしてこんどこそ買うぞ! (←思う壺)
(2017.12.2.)
大塚国際美術館のPV