N響ライヴシリーズ/尾高賞受賞作品 1
 黛敏郎/涅槃交響曲、三善晃/管弦楽のための協奏曲、
 間宮芳生/オーケストラのための2つのタブロー
(キング KICC 3023)




Amazon.co.jp : 黛敏郎:「涅槃」交響曲

Tower@jp : 黛敏郎:「涅槃」交響曲


キングレコードから、「N響 伝説のライヴ」としてたくさんのタイトルが発売されました。
個人的にもっとも興味を惹かれたのは、尾高賞受賞作を集めた3枚です。
尾高賞受賞作といっても一部の作品を除いてほとんど聴けないですからね。
CDが出てもすぐ廃盤になってしまうのです。

さて尾高賞シリーズの1枚目は、黛敏郎(1929〜1997)の涅槃交響曲(1958)で始まります。
管弦楽のみによる第1楽章「カンパノロジーT」、これは梵鐘を音響解析したものをオーケストラで再現したもので、
なにやら良くわかりませんが、メロディらしきものは全く出てこないにもかかわらず、神秘的でふか〜い音の流れに魅了されます。
決して聴きにくい音楽ではありません。

第2楽章「首楞厳神咒」(しゅうれんねんじんしゅう)からコーラス(男声合唱)が出てくるんですが
普通の合唱ではありません。声明です。お経です。
やはりメロディはほとんどなく、淡々とお経をあげてゆくのに管弦楽が点描的にからみ、
しだいしだいに熱を帯びたようにもりあがってきて、聞いてるほうは頭がボーっとしてトリップしそうになります。
 

全6楽章、なんという迫力に満ちた独創的な音楽
20代でこんなのものを書いてしまった黛敏郎、やはり天才ですね。
西洋モノのまねでない、日本人にしか絶対に書けない音楽であることもよいですね。

同時収録の、三善晃/管弦楽のための協奏曲(1964)は、10分ほどのコンパクトな曲。
急緩急の伝統的な3楽章構成で、「涅槃」に比べると西洋的でさらっと聴けます。
打楽器が大活躍する第3楽章が、やかましいけど面白い。

間宮芳生/オーケストラのための2つのタブロー
第1曲はなんだか気だるい、ジャジーな雰囲気。
アフリカの民俗音楽っぽい感じも少々ブレンドされてます。
第2曲は、弦の繊細な静かな響きで始まります。
中間で管楽器も加わって、さまざまな音のパレットが展開されますが
最後はまた弦楽器が主体となって静かに終わります。

このシリーズでは原則的に曲が終わったあとの拍手も収録されていて
こうした現代曲の場合、「曲、終わったよね」という一瞬の「確認の間」があって
おもむろに拍手が起こるところが、普通のクラシックとは違いますね。

(01.11.3.記)

追記:その後、「涅槃交響曲」は廉価盤が出ました(岩城宏之指揮・都響)。 1050円です。 これはお得。
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