おおひなたごう/目玉焼きの黄身 いつつぶす?(全12巻)
(2013〜19)



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恋人のみふゆと初めて自宅で迎えた朝、田宮丸二郎はいつものように目玉焼きの黄身をつぶして醤油を垂らし、白身と絡めて美味しく食べた。
ところが、みふゆは黄身はつぶさずに白身だけを食べ、最後に残った黄身を一口で食べたのだ。二郎の口から出た言葉は
「お前・・・バカか?」
独り自宅に残された二郎は悩む。自分の食べ方は間違っていたのか? 自分の食べ方は「あたりまえ」ではなかったのか?
悩む二郎は友人や同僚に相談、さらに様々な食べ方を教えられて驚愕する。
そして、みふゆの食べ方を真似してみた二郎は黄身を潰さずに白身だけを食べることの難しさを思い知る。


おおひなたごう/目玉焼きの黄身 いつつぶす?

 「食べ方」に徹底的にこだわった異色のグルメ漫画がいつの間にか完結していたっ!

ということに年末に気付き、持ってなかった最後の3巻を買ってイッキ読み。
その後第1巻から全巻読み返して、充実の正月休みを過ごしました。

いやー、くだらないけど面白いです、そして意外と深いです、しょーもないようで何か大切なものを秘めている気がします(多分気のせいです)。




目玉焼きに端を発し、二郎はいろんな食べ方のワンダーランド、食事作法の人外魔境に迷い込み、大冒険(←大げさ)を繰り広げます。

 ショートケーキのイチゴはいつ食べる?
 卵かけごはんは生卵を溶いてからかける?
 焼き肉でビール飲みながら白いご飯も食べる?食べない?
 回らないお寿司は箸で食べる?手で食べる?
 サンマのハラワタ、食べる?食べない?
 ハンバーガー、最後までこぼさないで食べるには?
 クリームシチューはおかずになる?

「く、くだらねー」と思いながら、つい読みふけってしまいます、引き込まれます。
そして気づくのです。

 「食べ方は、生き方だ」

本作は「自分の食べ方(生き方)」こそ絶対」と思っていた男が経験を重ね視野を広げてゆく成長物語であり、
二郎とみふゆのじれったい恋愛にやきもきさせられるラブコメディであり、登場人物がみな「食べ方」で熱く人生を語るギャクマンガです。
出てくる人はいい人ばかり、悪い人はどこにもいないファンタジーな世界ですが、これがなんとも心地良いのです。

「そんなテーマで12巻も持つの?」と思われるかも知れませんが、驚くなかれぜんぜん中だるみしないどころかむしろ後半からテンションを上げ、最後は大団円で綺麗に終わります。
ちょっと感動してしまいました。
まあ現実に田宮丸二郎みたいなめんどくさいやつが身近にいたら自分は三日でキレると思いますが。

 ・・・ところであなたは味付け海苔でご飯を食べるとき、海苔にしょうゆをつけますか?
 あと、刺身のツマのダイコンは食べますか?残しますか?
 食べながらテレビやスマホを見たり、新聞を読んだりしますか?それとも食べることに集中しますか?

うーむ、やっぱり「食べ方」には生き方や性格が出そうですね。

(2020.01.20.)





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