ロカテルリ/ヴァイオリンの技法 作品3 (全曲)
(指揮と独奏:ルカ・ファンフォニ、演奏:レアーレ・コンチェルト)
(Dynamic CDS 394/1〜3)




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ピエトロ・アントニオ・ロカテルリ(1695〜1764)、
イタリアに生まれ、オランダで活躍した、バロック期の作曲家/ヴァイオリニストです。
卓越したヴァイオリン技巧の持ち主であったと言われていて、
それを端的にあらわすのがこの「協奏曲集作品3 ヴァイオリンの技法」(1733)です。

急〜緩〜急 の3楽章からなる、独奏ヴァイオリンのための協奏曲が12曲収録されています。
特徴は、各曲の第1&第3楽章の最後に、「カプリチオ」と題された長いカデンツァ(技巧的な無伴奏部分)がついていること。
1曲の協奏曲が2つのカプリチオを含むので、計24のカプリチオが組み込まれています。
 (パガニーニの「24のカプリース」(1820)は、ロカテルリのこの作品を意識していると言われます

カプリチオは5分を超える長さのものもあるので、結果的に演奏時間が大変なことになってます。
なんと全曲で4時間弱!!。 ワーグナーの楽劇が聴けるじゃんか。
CDの収録時間をめいっぱいに使って3枚におさまるかどうかというところ(このディスクはなんとかおさめています)
バロック時代の協奏曲集としてはダントツで最も長大な作品ですね。

これで曲がつまらなければ、地獄の責め苦になるところですが、幸いどの協奏曲もとても美しいです。
ヴィヴァルディの正当な後継者はここに、と言いたくなるような、端正なバロック協奏曲。
そして、カプリチオでは、ありとあらゆるヴァイオリンの技巧をこれでもかと言わんばかりに聴かせてくれます。
「技巧のための技巧」に陥っていると言えばそうかもしれませんが、
このCDの演奏は、作品への共感とヴァイオリンへの愛にあふれていて、むしろ感動的なほど。
無心に楽器と戯れているかのような感じさえ受けます(もちろん必死で弾いてるんでしょうけど)。
初めて聴くヴァイオリニストですが、とても腕の立つ人だと思います。
録音は残響が長めで、ソロ・ヴァイオリンはかなりオン気味。カプリチオ部分の音は生々しいです。

ヴァイオリンが好きな人なら、至福の4時間が過ごせることでしょう (ううう、しかし長い・・・)

 協奏曲第12番からカデンツァ
 

(03.4.4.記)


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