リーバーマン/ジャズ・バンドと管弦楽のための協奏曲 ほか
(ギュンター・ノイホルト指揮 ブレーメン・フィルハーモニック・オーケストラ)
Amazon.co.jp : Liebermann: Concerto for Jazz Band
HMV : リーバーマン/管弦楽曲集
Tower@jp : ORCHESTRAL&VOCAL WORKS:LIEBERMANN
ガラッ八:親分こんちはー、今日はビッグ・バンド・ジャズを聴いてるんでやんすか?
親分:いや、れっきとしたクラシック、というか現代音楽なんだな、これは。
八:ジャズにしか聴こえませんけどー。
親:リーバーマンの「ジャズ・バンドと管弦楽のための協奏曲」(1953)だ。
サックス、トランペット、トロンボーン、ピアノ、ベース、ドラムスからなるジャズ・バンドと、オーケストラによる、一種の合奏協奏曲だな。
八:はあー、なんだかありがちな発想でやんすねー、ガーシュイン「ラプソディ・イン・ブルー」のバンド版って感じですか。
親:ところがところが、驚きの仕掛けがあるのだよ実は。
なんとこの曲は、厳格な十二音技法で書かれているのだっ!
八:十二音技法、名前は聞いたことありますね。
たしか発案者は・・・、何といったかな、シェー、シェー、シェー・・・。
親:「おそ松くん」の「イヤミ」かおまえは!
十二音技法は、シェーンベルクが20世紀はじめごろに確立したセオリー。
オクターブの12の音をひとつずつ使った「音列」をあらかじめ作っておき、
それを逆行させたり反転させたりしたのを組み合わせて曲を作っていくんだ。
八:面白くない曲が多いんですよねー、たしか。
親:うむ、正直、十二音技法の曲で、聴いて楽しいってのはあまりないんだが、これは数少ない例外。
八:ボーっと聴いてると、ジャズのアドリブにしか聞こえないこのフレーズも、実は十二音技法なんでやんすか。
親:十二音技法とジャズ、意外に相性がいいのかも知れんな。
イントロダクション、ジャンプ、スケルツォT、ブルース、スケルツォU、ブギウギ、間奏曲、マンボの8楽章からなる約17分の作品。
全曲は、冒頭にピアノのアルペジオで提示される「基本音列」に基づいて作られているので、自由奔放なようで、よく聴くとちゃんと一本芯がとおっている。
ジャズ・バンドと管弦楽のための協奏曲より「ジャンプ」
ジャズ・バンドと管弦楽のための協奏曲より「マンボ」
八:おおカッコイイですね、自由に遊んでいるようで、実はちゃんと芯がとおっている・・・。
あっしもいつか、そういう人間になってみせるでやんす。
親:何をゴリッパなことを言ってやがるんだこいつは、それならまず、この肉に鉄芯をズブッと通してくれ。
八:何すか親分、鉄の串なんか持って、うわ、やめて、何するんでっ・・・あれ〜〜〜。
親:騒がしい野郎だなー、今日は庭でバーベキューって言っただろ、ほれ、肉を串に通しといてくれよ、俺は火をおこしてくるから。
八:ほーっ、今回はスプラッタ落ちかと思ったでやんす。 やれやれ。
(08.5.30)