麻生みこと/海月と私(全4巻)
(講談社 2013〜15)

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ひなびた海辺の小さな温泉旅館「とびうお荘」。
ただひとりの老仲居が死んでしまい、初老の主人は宿をたたむ決心を。
廃業までの短期間、とりあえず働いてくれる新しい仲居を募集したら、
さっそく若く快活な美女が応募してくる。
しかしこの美女、素性は不明・名前は偽名?? 
まるで海月のようにつかみどころがない彼女は、何が目的でこんな田舎の宿にやってきたのか?

第1話試し読み


夏休みということで、娘たちが寄生してきました、もとい帰省してきました。
あっという間に我が家はやかましく、もとい賑やかに。
もちろん帰ってきてくれるのは嬉しいですが、ニョウボと二人暮らしのこの数か月は、良くも悪くも静かでした・・・。

昨日は娘たちの友達が数人遊びに来てくれまして(全員女の子)、庭でバーベキューをやりました。
我が家にこんなに人が集まったのは何年ぶりだろう?
肉もビールも美味くて楽しかったです。
夜はわが町の花火大会、娘たちは浴衣を着て意気揚々と出かけていきました。
ときどき若いパワーにかき回されるのも悪くないですね。

さて、オッサンが若い女の子にかき回されるといえば、

 麻生みこと/海月と私(全4巻)

第1巻から「面白いなあ〜」と単行本が出るたびに買っていましたが、このたびめでたく完結。

初老の料理人がひとりで切り盛りする宿(近々廃業予定)に突然やってきた仲居志望の若い女。
美人で明るく機転が利き、客の抱える悩みをなんとな〜く解決までしてしまう。
いったい何者? 彼女の目的は??

宿を訪れる客たちの人間模様を解きほぐしながら、ますます謎めく美人仲居の正体。
それは第4巻の始めのほうで明らかにされるのですが、真相はよくできたミステリのよう。
思えば第1巻から伏線はしっかり張られています、巧みです。
これから読まれる方は、第3巻まで読んだところで彼女の正体をじっくり推理してみるのも一興かも。

第4巻はちょっぴりアクションぽい展開となり、初老旦那が老体にムチ打って駆け回ります。
オッサンとしては熱く共感してしまいます。
そして大団円、きれいに着地して読後感グッド。
最近読んだコミックの中では爽やかさナンバーワン、長さも手ごろでオススメです。

各巻の表紙に小さく描かれている猫が、なかなかの名脇役。

(2015.08.23.)

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