早川いくを/へんないきもの(2004年 バジリコ株式会社)
体長3メートルにも達するナマコ、オオイカリナマコ。
双眼鏡のような眼をもつ深海魚、ボウエンギョ。
地面から口が生えて「わはははは」と笑っているようにしか見えないホヤの一種、オオグチボヤ。
などなど、実在する「へんないきもの」をイラストと文章で紹介した一冊です。
インパクトの強いリアルなイラストに対し、紹介文の方は完璧に笑わせにかかっているので、
公共交通機関の中などでは読まないほうが良いと思います。
ニヤニヤ、クスクス、ときに吹き出しながら読んでいると、
周りから「へんないきもの」を見る目で見られている自分に気づくかも。
生物学の専門家によると記述に不正確な部分が散見される、と某読書系サイトにありましたが、
「笑わせ本」なんですから、まあいいじゃありませんか。
それにしても生物の進化と適応は、面白くもすざまじいものです。
枯葉に化けて獲物を油断させる魚、口が巨大化して自分より大きな餌でも食べる生物(多数)。
水面に「エサ」を投げて、寄ってきた魚をクチバシで釣り上げる鳥もいます。
すべては生きるため、生き残るため。 「生きて子孫を残す」ことの重みをひしひしと感じます。
私も平穏に生きるため、「女房には口答えしない」「たまには洗い物をする」などの適応をとげてきたのですが、
まだまだ修練が足りんな・・・と思わされたことでありました。
(04.10.31.記)