モーツァルト/弦楽四重奏曲第14〜19番(ハイドン・セット)
(アルバン・ベルク四重奏団 1977〜78録音)



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チェロの先生が出演する弦楽四重奏のコンサートに行きました。
小さい会場でしたが超満員、立ち見も出そうな勢いで、200人は入ってましたねあれは。
弦楽四重奏なんて辛気臭いものを静かに座って聴こうという物好きがこんなにたくさんいるなんて!
正直言ってびっくりしました(←失礼な奴)。

プログラムは主にモーツァルトで、最後の曲は弦楽四重奏曲第17番「狩り」
久しぶりに生で聴きましたが、やっぱり超素敵な曲です。

弦楽四重奏曲第17番「狩り」(ザグレブ弦楽四重奏団)


・・・というわけで、帰ってからもモーツァルトの弦楽四重奏曲を聴いています。
モーツァルトの弦楽四重奏曲のうち第14〜19番の6曲は1782年から84年にかけて作曲され、「ハイドン・セット」と呼ばれます。

ハイドンの弦楽四重奏曲集・作品33(1782)の素晴らしさに衝撃を受けたモーツァルト、
弦楽四重奏曲は10年も書いておらず、このジャンルには興味を失っていたのですが、すっかり刺激され

 「弦楽四重奏曲ハンパねえな! よしボクも書くぞ!」

と張り切って作曲しました。
誰からの依頼もなく自発的に6曲も書くのは職業作曲家としては異例(金にならないわけですから)。
しかも推敲に推敲を重ね、他の仕事と並行してとはいえ、完成まで2年以上を費やしました。

 「最初から音楽は頭の中で出来上がっていて、あとはそれを楽譜に書きおろすだけなんだよね〜」

とうそぶいていた早書きアマデウスが・・・。

出来上がった作品は完璧の一言。
どのフレーズも歌にあふれ、ハーモニーは美しく、構成は堅固、「弦楽四重奏曲かくあるべし」という大傑作となりました。
あまりにも完璧すぎるので、最後の第19番は序奏でわざと不協和音を連続させて遊んでみたほどです。

弦楽四重奏曲第19番「不協和音」(ハーゲン弦楽四重奏団)


この曲集はもちろんハイドンに献呈され、出版された楽譜の表紙には作曲者と同じ大きさでハイドンの名前が印刷されました(しかもハイドンのほうが上)。
ぱっと見にはどちらが作曲者なのかわからないほどで、それだけハイドンを尊敬していたんですね。



ハイドンもこの曲集を絶賛し、モーツァルトの父・レオポルドに向かってこう言いました。

 「神にかけて申し上げますが、あなたの御子息は私が直接かつ間接に知っている作曲家の中で、最も偉大な作曲家です」

これ以後、ハイドンとモーツァルトは親友となりました(年齢は24歳離れてますが)。
そしてハイドンは1791年のモーツァルトの早すぎる死の後も弦楽四重奏曲を書き続け(いろんな貴族からつぎつぎ依頼が来た)、
1797年作曲の「エルディーディ四重奏曲・作品76」で頂点をきわめます。
作品76の3は「皇帝」と呼ばれ、第2楽章の変奏曲の主題はドイツ国歌となりました。

ところで「ハイドン・セット」のCD、私はアルバン・ベルク四重奏団が1970年代に録音したものを愛聴しています。
均整のとれたアンサンブル、歯切れの良いリズム、小細工なしで曲の魅力をストレートに伝える最高の名演であります。
もっとも他にCDを持ってないので説得力ありませんが、自分で最高だと思っているのでそれでいいのであります。
じっくり聴くもよし、抑えめの音量でBGMとして流すもよし、ドライブのお伴にもよし、重宝します。


弦楽四重奏曲第14番「春」(ハーゲン弦楽四重奏団)


(2019.02.23.)

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