相変わらず週一回のプール通いを続けています(われながらよく続く)。
さて先日、職場の飲み会がありまして、
若い同僚ふたりと、「普段やっているスポーツ」の話になりました。
「いちおう週に一回泳ぎに行っててね。 一回1000mは泳ぐことにしてるんだ」
と、さりげなく(どこが?)話したところ、
「あ、ボクは2000mです」
「ボクは今度トライアスロンに出ようかと」
ひええ〜! いつの間に体育会系になったんだうちの職場は!
ふたりとも私より10歳以上若いとはいえ、大したもんであります。
「ま、負けた・・・」(←そもそも勝ち負けじゃない)
と軽く落ち込んでいると、
「でも、チェロも習ってるなんてすごいですね、今度聴かせて下さい」
とすかさずフォロー、近頃の若い者は気配りもできます。
「トラウマになるからやめといたほうがいい」
と言っておきました。
さて、本日のエントリーはその件とはまったく関係なく、
早川書房の新刊、フェルディナント・フォン・シーラッハ/犯罪。
極上の一冊です。
刑事弁護士である著者が、その経験をもとに書いた短編集。
ただしノンフィクションではなく、あくまでも小説です。
簡潔で歯切れのよい文章。
翻訳ものにありがちな、持って回った言い回しは皆無。
なのでササーッと読んじゃうわけですが、なんだか尾を引きます。
登場人物が心の片隅に住みついてしまったみたいに、ふとしたときに思い出してしまいます。
それだけ印象的で、密度の濃い短編集でした。
「棘」の博物館警備員の心の影。
「チェロ」のテレーザとレオンハルトの悲しい運命。
一生愛しつづけると誓った妻を殺した老医師「フェーナー氏」。
記述が簡潔なだけに、彼らの心の中をいろいろ想像してしまいます。
ちょっと笑ったのが「タナタ氏の茶わん」。
来客があると銅鑼の音が鳴り響くって・・・クール・ジャパンだぜ!。
しかし、もっとも戦慄したのもまた、この短編でありました。
あと「正当防衛」は・・・シーラッハ氏、「ゴルゴ13」読んだことあるんじゃ?
(11.7.17.)