華恵/本を読むわたし
(筑摩書房 2006年)




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「みずみずしい感性」とはこの著者のためにある言葉。

好きな本を題材に、これまでの15年の人生を振り返ったエッセイです。

15年!

そう、著者は15歳の女性であります。 
2月29日生まれ・・・・ではありません。
正真正銘の15歳。

年若い少女の書いた本ということで、
アンネ・フランク「アンネの日記」や綿谷りさ「インストール」を連想するかというとちょっと違って・・・
うーむ、しかし、この感じは・・・、この読後感はどこかで・・・と考えることしばし、

・・・・思い出しました!!

須賀敦子に似ているのです。全然若くないがな。

自分と周囲を冷静に(でも暖かく)見つめる視点は、怖いくらいに成熟しています。
ナルシスティックなところは全く無く、じつに客観的。

生まれ育ったアメリカから日本に引っ越してきたときの不安な気持ちを
童話「てぶくろを買いに」に代弁させ、「人間って、ちっともこわくなかったよ」と結ぶ手腕。
母親と祖父の確執・和解を、優しい目で見つめる「卒業」
華恵ちゃんが一番オトナじゃんか〜。

将来が楽しみ、というか末恐ろしいほどの15歳であります。

(07.3.17.)


Amazon.co.jp : 小学生日記
これは小学生のときの作文集。上手いです。

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