朱川湊人/銀河に口笛
(朝日新聞出版 2010年)




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<ストーリー>
小学三年生の二学期、謎めいた美少年・林田智樹(リンダ)が転校してきた。
僕らはリンダとともに秘密結社「ウルトラマリン隊」を結成、
数々の不思議な事件の謎に挑む。
虹の七色に乗せて送る、ちょっぴりほろ苦い少年たちの成長物語。


最近、外で元気に遊ぶ子供の姿が減った、と言われます。
でも私が住んでるあたりは田舎で、我が家の隣は神社の境内だったりするので、
近所の子供が走り回る姿、けっこう目にします。
ときどきヤンキーの溜まり場にもなってますが・・・。

「外で遊ぶ子供の姿が観られる神社」ってことで、
そのうち観光スポットになったりして・・・・(←なるかっ!)


さて相変わらず、昭和30年代生まれには胸キュンもののお話を提供してくれる朱川湊人さん。
「スパイメモ」「仮面ライダーカード」などが、いちいちオッサンのツボにはまりまくる連作短編集です。

ストーリーは「風の又三郎」みたい。
流れ星が飛んだ日に現れた少年・林田智樹、あだ名は苗字を音読みしてリンダ
日本人離れした鼻筋のとおった顔だちに、沈着冷静な態度。
見かけによらず(?)暖かい心をもつリンダと4人のクラスメートが繰り広げる
小さな冒険の数々が、ノスタルジー全開で回想されます。

リンダの不思議な能力に助けられ、
いなくなった猫を見つけ出したり、夜中に風鈴を鳴らしながら徘徊する怪人の正体をあばいたりと、
大活躍の少年たちですが、
子供ならではの無力さを噛み締める出来事にも出会います。

昭和30年代生まれは、無条件で懐かしい気持ちに包まれる一冊。
そうでなくても「三丁目の夕日」などがお好きな方なら、とっても楽しめると思います。


それにしてもあのころは、一日中外で遊んでも、全然退屈しなかったし、疲れなかったよなあ、ほんと。
いまは、一日が終わるともうぐったり・・・。
子供のころのあの元気、忘れたくないものです。
「スパイメモ」「仮面ライダーカード」などをポケットに入れておき、時々ながめるといいかもしれませんね(←アブナイ人)

(10.5.12.)

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