ダイアー・ストレイツ/オン・エヴリー・ストリート(1991)



Amazon.co.jp : On Every Street

Tower@jp : On Every Street [Remaster]


イギリスのロックバンド、ダイアー・ストレイツ
1985年、大ヒット曲「Money for Nothing」を含むアルバム「Brothers in Arms」を2000万枚売り上げ、
ついに世界の頂点に立った! と思ったら6年もの沈黙。
ようやく発売された本作"オン・エヴリー・ストリート On Every Street"が、結果的にラスト・アルバムとなってしまいました。
(正式な解散宣言はなかったと思うのですが、何となく活動停止状態のまま・・・)

しかしこれ、素晴らしいアルバムです。
「Brothers in Arms」より良いんじゃないでしょうか。
むちゃくちゃシブいですけど。

 On Every Street
 

ダイアー・ストレイツは、リーダーのマーク・ノップラーが、作詞作曲・兼ヴォーカル・兼リードギターという、絵に描いたようなワンマン・バンドでした(現在、マークはソロで活動中)
ピックを使わずにエレキギターを弾くという独特のスタイルが高く評価されているそうですが、ギターの事は私にはようわかりません。

私が特筆大書したいのは、マークのヴォーカル・スタイル。
もともと「絶唱」「熱唱」から最も遠いところにあると言うか、いかに少ないエネルギーで歌い切るかを追求しているような人でしたが、
本作ではそのスタイルにますます磨きがかかり、物凄く面倒臭そ〜うに歌っています。
「渋い」を通り越して、ほとんど「オッサンの鼻歌」の域、
バックがどんなにビートを効かせても、「関係ないもんね」とばかりにボソボソつぶやくように歌う姿は、ある意味圧巻。

しかもこの歌声、麻薬的に心地良いです。
つまり、いくら聴いても疲れない。
マーク・ノップラーを知ったあとでは、

  西にやたらと高音張り上げて歌うバンドあると聞けば、
 あわてて耳をふさぎ、
 東に血管切れそうなほど絶叫するヴォーカルいると聞けば、
 くたびれるからやめろと言い、

すっかり宮沢賢治になってしまうほどです。

まあここまで枯れてしまったら、あとは散るしかないだろうな。
ラストアルバムとなったのも、ある意味当然か。
縁側で渋茶飲みながら聴きたいものです。

 Calling Elvis
 

付記:1982年のアルバム「Love over Goldも大好きです。
    「ON EVERY STREET」と違い、力が入った大作指向のアルバムで、これはこれでグッド。

 

(05.1.28.記)

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