ダン・ブラウン/ダ・ヴィンチ・コード
(角川書店 2004年)



Amazon.co.jp : ダ・ヴィンチ・コード 上・中・下巻 3冊セット

<ストーリー>
 ルーヴル美術館館長・ジャック・ソニエールが館内で殺害され、
 その晩に館長と会う約束をしていたハーヴァードの宗教象徴学教授・ロバート・ラングドンは、
 第一容疑者にされてしまいます。
 警察の暗号解読官であり被害者の孫娘でもあるソフィー・ヌヴーは、現場を見て、
 祖父が自分だけにわかる暗号で残したメッセージに気づきます。
 ラングドンが無実であることも確信したソフィーは、祖父の遺志を果たすため、彼を連れて現場から脱出します。


ジェットコースターのようなノンストップ・サスペンス小説であると同時に、
キリスト教成立時に隠蔽された驚愕の事実、
それをひそかに伝承する秘密組織の存在、
組織の幹部であったダ・ヴィンチの絵に隠された数々の秘密、etc. eic. が、
巧みな謎として散りばめられ、最初から最後まで楽しませてくれます。
読むまでは「薔薇の名前」のような、難解系睡眠薬小説かと思っていただけに、うれしい誤算でした。

しかし主人公であるラングドンソフィーの体力はすごいですね。
エピローグまでずっと不眠不休で走り回ります。 
食事もほとんどしてないぞ。 トイレはどうしたんだろう。
上下巻の長編なのに、物語中の時間経過はほぼ1日(!)。
ついつられて、私も1日で一気読みしてしまいました。

現代を舞台に、歴史上の謎をからめてゆくミステリーは、以前から人気があり、
日本でも高田崇史さんの「QEDシリーズ」(講談社)など、
わけわからんながら、私も愛読しています。
もっとも「ダ・ヴィンチ・コード」はミステリというよりは、「逃亡者」型の追いかけ小説、
この追いかけっこがサスペンスフルで面白いので、背景になっている歴史上の謎も引き立ちます。
特に下巻冒頭で示される、ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」に描かれていた驚きの秘密。
今まで何度も見ている絵なのに、どうして気づかなかったのかと、
わが家の60畳の食堂の壁を飾る「最後の晩餐」原寸大複製を眺めつつ天を仰いだことでした。

 嘘です。

あ、でも、我が家の庭には五重の塔が建っています。

 これはホント。




 奈良の土産物屋で買った高さ20センチほどの五重の塔ですけど。

(04.9.23.記)

「本の感想小屋」へ

「整理戸棚」へ

「更新履歴」へ

HOMEへ