映画「チェイサー」サウンドトラック(1977)



Amazon : チェイサー オリジナル・サウンドトラック

Tower@jp : 「チェイサー」オリジナル・サウンドトラック


観たこともない映画のサウンドトラックを、ときどき買います。
たまにびっくりするような名盤があるのでたまりません。
とくに好みなのは1960〜70年代のヨーロッパ映画。

最近の「当たり」はこれです。

 映画「チェイサー」サウンドトラック

1977年のフランス映画、主演はアラン・ドロン
現代は"Mort d'un Pourri"(腐敗した男の死)、邦題関係ない・・・。
どうやら「アラン・ドロンが巨悪に挑む!」みたいなサスペンスらしいのですが、
べつに観る気はないのでどうでもいいです。

 とにかく音楽が素晴らしい!

スタン・ゲッツのテナー・サックスが全面的にフィーチャー・・・というかほぼスタン・ゲッツのソロ・アルバムです。
サックス、ピアノ、ベース、ドラムスのカルテットに、随所でシルキーなストリングスがからみます。
このサックスの艶っぽくてカッコイイこと。
部屋を暗くして抑えめの音量で流せば、気分はパリの半地下のバー(行ったことないけど)。
トレンチコートに身を固めて静かにオン・ザ・ロックを傾けるアラン・ドロンが目に浮かぶようです。

 メイン・テーマ
 

アルバム全編しっとり程よく濡れそぼり、聴くだけでお肌がうるおいます。
ブルーでジャジーで、でも品のある「うた」が、乾いた心につるりと滑り込んでなんとも快適。
物思いにふけるような抒情、ふわりと漂う哀愁、ゾクと毛羽立つ妖しさ、なまめかしくあとを引く余韻。

映画のサウンドトラックとして片付けるのはもったいない、ロマンティック・ジャズの傑作です。

 ヴァレリー
 

(2017.06.02)

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