アンサンブル・ユニコーン/黒い聖母
(モンセラート修道院に伝わる巡礼の歌集ほか)
(ナクソス 8.554256)


Amazon.co.jp : The Black Madonna

HMV : 黒い聖母 icon


中世の音楽を、エスニック味たっぷりの大胆なアレンジで聴かせる、アンサンブル・ユニコーン
現在までにナクソス・レーベルから8枚のアルバムをリリースしていますが、いちばんのお気に入りが、1996年録音の、この「黒い聖母」です。
ジャケットは、別に二人羽織の芸をやってるわけではないようです。

スペインのモンセラート修道院に伝わる、「モンセラートの朱い本」という全10曲の聖歌集から4曲を選び、
あと、トルバトゥールの歌とか、「聖母マリアのカンティガ」と組み合わせたアルバムです。

まず冒頭、「朱い本」からの「皆で声を合わせて歌おう」が、ガツンときます。
2分近くに及ぶ、弦楽器によるしぶ〜いイントロに続き、地声たっぷり、めちゃんこエスニックな(中近東風?)ヴォーカルが登場。
パーカッションもドンドコドン、ほとんどポップスのノリで、ワールド・ミュージック好きなかたには絶対おすすめです。

 

すでにエスペリオンXX盤(Virgin 7243 5 61174 2 6)や、アラ・フランチェスカ盤(OPUS111 OPS 30-131)といった格調高い名盤で
この曲を知っている人が聴いたら、ひっくりかえってびっくり仰天でしょう(って私のことですが)。
この「モンセラートの朱い本」は、修道院を訪れた巡礼たちを楽しませるために歌い踊られたものと考えられているので、
こういうノリの良い演奏こそ、本来の意図に沿ったものなのかも知れません。

もちろんエスニック・ノリノリの曲ばかりではありません。
トラック6「マリアを称えよ」では、一転、静謐な美しさが心地よく、トラック8「何と栄えある」の軽やかでリズミックな演奏もとても楽しいです。

アンサンブル・ユニコーンは、音だけ聴くと「中近東」ですが、驚いたことにウィーンのグループです。
中世の音楽を、より多くの聴衆に親しんでもらいたい、とのことで、「聞いて面白い中世の音楽」をモットーとしているようです。
(日本にも、同じようなコンセプトの「タブラトゥーラ」というグループがあります)
どのアルバムも大変面白いですが、少々味付けが濃いので、たくさん聴いていると胸焼けを起こしそうになることも。
でも、この「黒い聖母」がもしお気に召しましたなら、次は「ベツレヘム巡礼の途上にて(8.553132)など、よろしいかと思います。

 Mari Stanko(「ベツレヘム巡礼の途上にて」より
 

(02.3.10.記)




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