レスピーギ/「組曲・シバの女王ベルキス」 「変容」
(ジェフリー・サイモン指揮 フィルハーモニア管弦楽団 1985録音)



Amazon : Belkis, Queen of Sheba / Metamorphosen


イタリアの作曲家 オットリーノ・レスピーギ(1879〜1936)は、「ローマの泉」「ローマの松」「ローマの祭」の「ローマ三部作」で有名。
ちなみに4作目として「ローマの休日」を作るつもりでした・・・・・・・・・嘘です。
あと「リュートのための古風な舞曲とアリア・第三組曲」から「シチリアーナ」は、聴けば誰でも「あの曲か!」と思うはず。
でも、有名なのはそれくらいですか。

 シチリアーナ
 

ちょっと地味な印象の作曲家レスピーギですが、じつはほかにも面白い曲いろいろあるのです。
とくに、リムスキー・コルサコフ直伝のオーケストラ技法を駆使した彼の管弦楽曲はド派手で華麗で賑やかでやかましくしてサイコー。

たとえば組曲「シバの女王ベルキス」(1934)
これは、同名のバレエ音楽から4曲を選んだもの。
紀元前9世紀ころ、シバ国(現在のエチオピアあたり?)の女王ベルキスが、イスラエルのソロモン王を訪問、大歓待され長期滞在。
ソロモン王とのあいだに子供までもうけ、その子は初代エチオピア皇帝メネリク1世となったという旧約聖書の物語に基づいているそう。
大管弦楽を思い切り鳴らした、ハデハデ爆音上等音楽です。

1曲目「ソロモン王の夢」は、女王の訪問を予感するソロモン王をあらわし、映画音楽のようにロマンティック。
オリエンタルな味付けが魅力的で、木管楽器主導で奏でられる幻想的なメロディは夢のお告げのよう。
つづいて力強い金管と重厚な低音弦がソロモン王の威厳を表現、さすが王様、強そうです。

 よっ、男の中の男!

静まると今度はチェロ独奏をはじめとする弦楽器で夢のメロディが奏でられ曲を閉じます。

 

第2曲「戦いの踊り」はもとは第3曲ですが、このアルバムでは曲順が入れ替えられています。
女王ベルキスを歓迎する宴で踊られる勇壮な踊り。
金管の咆哮、打楽器の爆音連打、とにかくやかましい! ちょっとは加減してくれてもいいんですよ〜。

 

第3曲「ベルキスの暁の踊り」
ソロモン王との出会いを控え、明け方目覚めたベルキスによる優雅な舞。
アラビア風なメロディにヴィヴラフォンやチェレスタのキラキラがまぶされて、デリケートかつリリカルな音楽が展開します。

 

第4曲「狂宴の踊り」
ソロモン王とベルキスは意気投合、歓迎の宴は大盛り上がり、飲めや歌えや踊れの図。
金管のファンファーレ、打楽器の連打、負けずに弾きまくる弦楽器群、もう大騒ぎ。

 (このCDの演奏ではありません。バッティストーネのエネルギッシュな指揮が楽しい)

理屈抜きでアッケラカーンと楽しめるストレス解消クラシックです。


併録の「第12旋法による変容(メタモルフォーゼ)」(1930)は、管弦楽のための変奏曲。
重厚で落ち着いたテーマをもとに、管弦楽法の匠レスピーギがオーケストレーションの秘術をつぎつぎに繰り出す隠れた名曲。
クライマックスはお約束通り大音量で盛り上がり、ついにはパイプオルガンまで響かせて ド派手に終結します。

 

どちらも派手でカッコイイ音楽ですが、部屋で聴くときは周囲への騒音注意です。

(2019.04.27.)

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