別宮貞雄/交響曲第1番&2番
(湯浅卓雄・指揮  アイルランド国立交響楽団)
Naxos 8.557763J


Amazon.co.jp : 別宮貞雄:交響曲第1番&2番

HMV : 別宮貞雄/交響曲第1&2番 icon

みんなぁ、BEKKUは いいぜっ!! (BECKじゃないよ)


別宮貞雄
(1922〜)は、前衛が嫌い。 大嫌い。
電子音楽が流行ろうが、12音音楽が流行ろうが、そんなものには目もくれず、ひたすらロマンティックで叙情的な調性音楽を作り続けます。
おまけに前衛派の作曲家をことあるごとに批判・罵倒・論破するもんで、すっかり友達をなくしてしまったらしいです。
少し長いですが本CDのライナーノートから引用しますと、


 たとえば古代ギリシャの彫刻の歴史は新規な実験を重ねた挙句の果てに、安定した技巧と表現に達し、
 以後はロダンもマイヨールも、古代ギリシャの延長線上に創作している。
 それと同じく、西洋音楽もある完成された技巧と表現に既に達したと考えられる。
 (中略)
 あとに残るのは、完成した乗り物を個々の作曲家がどう使いこなすかだけである。
 ところが前衛主義者は進歩と称して出来上がったものを破壊しようとしている。
 協和と不協和の両方があってこそ劇的な推移が生まれるのだから、
 不協和にばかり頼る無調は、音楽を劇的な推移を表現しえなかった原始状態に戻すのみである。

 

うーん、頑固ですね。 
一音楽ファンの私から見ても「全面的に賛成!」とはよう言いませんが(前衛彫刻だってあるんだし・・・)
自らの主張を決して曲げないこの人、信念あるんですね。 ブレない、ってやつですね。 
前衛音楽おおはやりの楽壇では、ずいぶん苦労したことでしょう・・・偉いなあ。

さてどんな曲を書いているのかと聴いてみれば、これが素晴らしい。
第1交響曲(1961)の冒頭、紡ぎ出されるメロディの美しさ、オーケストレーションの繊細さに思わず陶然。
あからさまに民族性を強調しないけれど、しっかり「日本」を感じさせる響き、ロマンティックだけど古臭くはありません。
40年以上前に日本人の手でこんな傑作交響曲が書かれていたとは・・・ 第1楽章にはとくに癒されます。
エネルギッシュに突き進む第4楽章も最高にカッコイイです。

 

第2交響曲(1977)は、第1番よりもさらに日本的。
第1楽章では無骨な第1主題とたおやかな第2主題の対比が鮮やか。
一番気に入ったのは第2楽章・透明感ある静かな祈りのアダージョ。 何事ですかこの厳しいまでの美しさは!
第3楽章は緊張感あふれるパッサカリア、堅固な構成感が魅力です。 

 

2曲とも世界初録音。
ナクソス・レーベルですから、アマゾンでは1000円+税。 HMV、タワーではもっと安いです(たぶん期間限定ですが)
片山杜秀氏による詳細な解説がついてこのお値段・・・さあ、これ一枚であなたも立派なBEKKist だ!

(05.9.23) 

「音楽の感想小屋」へ

「整理戸棚」へ

「更新履歴」へ

HOMEへ