浜田咲良/金曜日はアトリエで(全4巻)
(KADOKAWA 2020〜22)


仕事と生活に疲れ、死すら考えていたOL・環恵美子は、偶然出会った画家・石原春水に請われて絵のモデルになる。
春水は女体に生魚を配置したモチーフを描く画家で、つまりヌードモデルであった。
使用した魚はあとで食べるのだが、春水は料理の腕前も一級品、環は食欲爆発、死ぬことなど忘れてモデル契約を結ぶ。
そんな環の天然ぶり、食べっぷりに春水はなぜか恋に落ち――
鈍感フワフワガールと、イケメンだけど自意識過剰な画家のすれ違い恋愛ストーリー!

色鮮やかな表紙が目を惹きます。
気楽に楽しく読める大人のラブコメディーです。

 浜田咲良/金曜日はアトリエで(全4巻)

自己肯定感の低いボーッとしたOL環恵美子は、ひょんなことから画家のヌードモデルになります。
石原春水は旬の魚を女体と組み合わせた幻想的な作風で「シュルレアリスム界の新生」と呼ばれる天才画家。
自分で「画才・ルックス共にナンバーワン」などと言っちゃう俺様ですが、絵だけでなく料理の腕も一級のスゴイ奴。
(とはいえアトリエはさぞ生臭いのでは・・・おっとそいつは言わない約束だぜ。)

モチーフに使用した魚を春水手ずから調理して食べるその美味しさにつられ、恵美子は毎週金曜日の夜にモデルになる契約を結びます



恵美子春水の会話が、両者ボケの高度な漫才のようで実にシュール(読者が心の中でツッコむ)。
石原春水は天才画家だけに自意識過剰でプライドが高く、恵美子に惹かれていくのを自覚しながらも自分からは好意を示せません。
恵美子は色気より食い気、春水の気持ちはなんとなく感じるものの、一介のOLが画壇の寵児と釣り合うはずもないとハナからあきらめてます。
そんな「両片思い」状態のふたりです。




画家とヌードモデルの恋愛とくれば官能めくるめくセクシーなオトナのラブストーリーかと思いきや、
恋愛スキル中学生以下のふたりが右往左往するお話でした・・・(べ、べつに残念がってなんかいないんだからねっ!)。

ふたりの距離が近づきそうでなかなか近づかないのを「あーじれったいな〜」とジリジリしながら楽しむのが正しい鑑賞法。
独特なテンポ感でほのぼのさせてくれる、脱力系恋愛マンガです。



友人知人も出てきますが、不器用でとぼけた二人を暖かく見守る守護天使のような人ばかり。
登場人物はみんな上品で、悪い人が存在しない優しい世界、大人のファンタジーというかユートピアですね。



4巻ですっきり完結しているのも良いです。
友人たちのお膳立て、サポートあってこそのハッピーエンドって気もしますが、とにかく周りがいい人たち過ぎる!



表紙の雰囲気そのままのカラフルでお洒落な物語でした。
なお読むと焼き魚と寿司が食べたくなります。

(2022.04.28.)

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