チャイコフスキー/ピアノ協奏曲第1番&ラフマニノフ/ピアノ協奏曲第3番
(アルゲリッチ独奏、コンドラシン指揮 バイエルン放送交響楽団 ほか)
Amazon.cp.jp : ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番&チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番
ガラッ八「親分、てえへんだ、てえへんだ!」
親分「おう、八かい。そんなにあわててどうしたってんだい」
八「へい、アルゲリッチ独奏の、ラフマニノフ/協奏曲第3番とチャイコフスキー/協奏曲第1番のカップリングが、
1000円で発売されたんで!」
親「な、なにい〜、アルゲリッチ姐さんのあの名盤が1000円だとぉ!!」
八「親分は確かどちらも初発売のときに買ったんですよね」
親「ああ、当時はラフマニノフとチャイコフスキーそれぞれ1枚ずつでなあ、チャイコはLPで買ってCDで買いなおしたから、この演奏には1万円近く使ってるなあ俺は・・・。」
八「親分親分、遠い目になってますが」
親「しかし、それだけの価値はあるぜ、この演奏は」
八「そんなにいい演奏なんで」
親「まあ、ラフマニノフ(1982年録音)のほうは、ホロヴィッツ/オーマンディ盤という超弩級の名演があるからな、姐さんも健闘してはいるが分が悪い。 録音ももうひとつだ」
八「ラフ何とかはあまり良くないんですか」
親「それでも第一級の名演奏には違いねえ。 しかしとにかくチャイコフスキー(1980年録音)だ。
これぞまさしく空前絶後の壮絶名演奏といえよう!」
八「確かアルゲリッチ姐さんには、このあとアバド/ベルリン・フィルと競演したライヴ盤もあるんですね」
親「うむ、あれも完璧で緻密な名演だが、このコンドラシン盤のほうがスリリングで豪快で、好みなんだな。
この演奏の凄さが端的にわかるのが第3楽章だ。
前奏に続いて入ってくるピアノが、明らかにオーケストラより速い。走っている。オケをあおっている。ミスタッチもあるが気にするんじゃねえ。
あおられたオケも負けじとピアノを追いかける。ピチカートの汗が飛び散る。
0分50秒あたりからの光速ピアノフレーズはどうだ。
一転、1分00秒からのオケによる副主題は、たっぷりタメをつくって歌わせる、いいねえ、この呼吸。
野生の奔馬のようなピアノ、必死で手綱を引きしぼるオケ、めちゃんこスリリングだ。
クライマックスは、オケによる経過部分のあとだ(4分50秒)、どうだいこの豪快なピアノの入り!」
八「こりゃあ凄い迫力ですねえ」
親「ここを聴くと俺は『北斗の拳』のケンシロウが、敵の身体に目にも止まらぬパンチを
あたたたたたたたた!と連打する場面が脳裏に浮かぶんだよな」
八「・・・・」
親「引くなよ! 連想しちまうんだから仕方ねえじゃねえか!」
八「・・・そういや親分ときどき、ヘッドホンで音楽聴きながら、カン高い声で『あたたたた』って言ってますけど、
あれはこのCDを聴いてたんで」
親「え、ええ〜、俺ってそんなこと言ってるの〜!?」
八「はい、こないだなんか、JRの電車の中で」
親「わあ〜、ウソだといってくれ〜! 恥ずかしいよ〜!」
八「それはそうと、このカップリングが1000円ってことは、お買い得ですね」
親「もう絶対に! この壮絶演奏をまだ聴いたことがない人は、ぜひこの機会に!!」
第1楽章
第2楽章
(05.7.11.記)