梅雨ですね。
蒸し暑いです。
暑さはまだしも湿気が辛いです。
身体中にカビが生えそうな気がしてうわあ!です。
ひとつ爽やかな音楽でも聴くベ、と本日取り出したのは、
アノニマス4/「愛の幻影〜モンペリエ写本の音楽」。
モンペリエ写本というのは、南フランス・プロヴァンス地方の都市モンペリエの医科大学図書館に所蔵されている筆写楽譜本で、
13世紀フランスの声楽曲が多数収録されているのだそう。
このアルバムはその中から29曲を選んだもの。
歌っているのは、女性4人のグループ、アノニマス4。
楽器による伴奏はなく、4人の声だけで勝負です。
う、美しい・・・。
似たような雰囲気の曲を、無伴奏の4人の女声で29曲も歌うのですから、すぐに退屈してしまうのかと思いきや、
圧倒的な美声と正確無比なハーモニーで、次から次へと聴かせてしまいます。
まさに降り注ぐ美声のシャワー。
オッサンの薄汚れた心も洗われるようです。
大変格調高い曲の連続ですが、歌詞はどのような内容かと思いまして、歌詞対訳を読んでみますと・・・(日本盤を持ってるのです)、
私は15歳にも満たない陽気な可愛い娘。
小さな胸はふくらみはじめました。
愛と愛し方について勉強しなくては。
でも私は牢獄の中。
神様、私をここに押し込めた人たちに罰をお与えください。
こんな娘を修道院に入れるのは罪というものです。
とか
百合の花のように白く愛らしく優美。
私はあなたに征服されてしまった。
あなたの輝く顔、穏やかな笑い声、整った口、微笑みかける上品な灰青色の目、
どれもが私を陽気にしてくれる。
とか
お名前は申し上げませんが、魅力的なブロンドの婦人よ
話しかけてもいいでしょうか。
私の心は愛に満ち溢れ、ため息をつき、顔を赤らめるばかりです。
とか
麗しいイザベルは私の心を揺さぶる。
イザベルが生まれたとき、愛の神は驚いた。
彼女の顔は5月の薔薇よりも気高いのだ。
神よ、どうすればいいのだろう。
彼女の美しさで死んでしまいそうだ。
・・・どうぞ勝手に死んでください。
ラブラブ・ファイヤーただいま炎上中、みたいな曲ばかりなんですけど!
13世紀のフランス人も、考えていることは現代人と変わらないのですね。
なんだか楽しくなってきます。
800年前のフランスのラブソングを聴きながら、蒸し暑い梅雨を乗り切ろうとしているオッサンがお伝えしました(←想像するだけで暑苦しい)。
(10.7.12.)