山本幸久/ある日、アヒルバス
(実業之日本社 2008年)


Amazon.co.jp : ある日、アヒルバス


<ストーリー>
東京生まれの東京育ち(ただし八王子)高松秀子(デコ)は
アヒルバスに入社して五年の観光バスガイド。
大好物は「ピノ」
一筋縄ではいかないわがままなツアー客たちに振り回され、
憧れていた理想のバスガイド・三原先輩は転職してしまい、
新人研修の指導員になったものの教育は遅々として進まない。
デコが「願いのピノ」に託した思いは「ピノの神様」に届くのか。


き、奇跡だ・・・!

今年のゴールデン・ウィークの、5月2日(土)から6日(水)までの5連休
まるまる休めることになりました。
ここ数年なかったことですっ!
年末年始でもこんなに休めたことはありませんっ!
同僚のみなさん、年寄りをいたわってくれてありがとう、ありがとう!

ああぁ、こうなるとわかっていたら、旅行でも計画したのになあ。
まあ子供たちも部活があることだし、家でゆっくり休むことにします。

ただそのかわり、昨日4月30日は泊りがけで仕事してました。
あんまり寝てません(眠い・・・)
今日5月1日(金)も普通に仕事しました。
そして連休明けの5月7日(木)もいきなり泊まり仕事です、ひええ。
しかしそれでも五連休は大きい・・・ワクワク。

仕事、決して嫌いなわけではありません。
辛いこと、思うようにいかないことも多いですが、やりがいもたくさんあります。
ただ、昔ほど無理がきかなくなってきたのは事実。
10年前なら3日くらい寝なくても平気・・・と言うのは嘘ですが、
一晩徹夜で仕事することは度々ありました。
今は絶対にムリですねえ、倒れます。



さて、最近好きでよく読んでるのが、山本幸久さんの「お仕事小説」シリーズ。

小さなデザイン事務所を舞台とした「凸凹デイズ」
社員47人の店舗リフォーム会社「ココスペース」が舞台の「カイシャデイズ」など、
親しみやすいキャラクターの奮闘ぶりがリアリティたっぷり。
異職種ながら「あるよなあー、こういうこと」と、同士を見つけた気になります。

最新作の「ある日、アヒルバス」は、
東京の観光バス会社「はとバス」がモデルか)バスガイドが主人公。
ドジガイド・高松秀子の眼を通し、 バスガイドライフの悲喜こもごも(かなり「笑い」方面にシフトしてます)を描きます。
それにしてもバスガイド、なかなか大変な仕事であります。
発声練習、歩き方、お辞儀の仕方、口上の暗記・・・

 「これより渡ります中央通りには日本を代表すると言っていい、数々の百貨店が立ち並んでいます。
 今宵逢いましょ銀座の街で、名さへあなたをホニャラララ、リフト上がれば星かげ灯かげ、空のサロンの朗らかさ。
 『東京音頭』や『青い山脈』の作詞家として知られる西条八十が1935年、昭和10年に書いた歌の一節です。
 ホニャララがどこの百貨店かおわかりになる方、いらっしゃいますか?」
(333ページ)

このような口上の書かれた「バスガイド教本」を、コースごと・観光スポットごとに暗記して、
笑顔浮かべて流暢にしゃべらなくてはなりません。
お客様の反応を見てアドリブを入れたり、勉強して「自分なりのネタ」を付け加えたり・・・、
もう立派なエンターテイナーですね。
しかも日によって違うコースについたりしますから・・・こりゃ大変だ。

ちなみに「アヒルバス」にはどんなコースがあるかと言うと
「これはお得!東京名所ぐるり旅」 「からだもこころもリフレッシュ!東京ぶらり自然散策」
「少し贅沢ちょっと遠出!日光デリシャス大名旅行」 
「ディープな東京でドキドキ!旦那様にはナイショでナイト!」
・・・etc

私は、「大阪に負けるものか!江戸前食い倒れ」コースに参加してみたいなあ。

そういえば私の住んでる香川県でも観光バス、よく見かけます。
おそらく「隠れた名店を探せ!さぬきうどん穴場めぐり」とか
「霊験あらたか!四国八十八箇所巡礼ツアー」とかでしょう。
バスの中では、ガイドさんが奮闘しているのだろうなあ。

「ピノ」でもつまみながら、のんびり読みたい一冊。
・・・ところで、「願いのピノ」ってホントにあるんですね。

(09.5.1.)


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